見出し画像

停戦後最悪の攻撃で「ウクライナ軍7人死亡」

BBC NEWS 2014年9月29日の記事の翻訳です。
写真:ウクライナ軍は同国東部全域で親ロシア派反乱軍と戦闘を続けている

ドネツク空港近くで親ロシア派反体制派との衝突があり、ウクライナ軍兵士7人が死亡したとされており、軍にとっては停戦協定以来最悪の死者を出した事件となる。

戦車の砲弾が部隊を乗せた車両を直撃した、と当局者は述べた。

他の事件では民間人3人が死亡したと報じられている。

ウクライナの活動家達は、これに先立って東部の都市ハルキウでレーニン像を倒した。-この動きは親ロシア派による挑発とみられる可能性が高い。

日曜日の夜、ナショナリストの抗議者達は「ハルキウはウクライナだ」という集会のために像の周りに集まっていた。その後、ハルキウ州のイホル・バルタ知事が像の解体命令に署名した。

ハルキウのゲンナジー・ケルネス市長は、地方自治体のウェブサイトで、この記念碑は修復されるだろうと述べ、その破壊は違法であるとした。

ヴィクトル・ヤヌコビッチ大統領の解任に伴う抗
議デモの波で、国内の他の地域でも同様のモニュメントが撤去される中、親ロシア派のデモ隊は2月にこの像を擁護した。

ハルキウは、その後ウクライナ東部の他の地域、ドネツクとルハンスクに広がった暴力からほぼ免れた。

ハルキウのレーニン像が立っていた場所にはウクライナの国旗がはためく - 日曜の夜まで

今回の死者は、9月5日にウクライナ政府と反体制派との間で合意された停戦に新たな疑念を投げかけた。

7人の兵士は、反体制派がウクライナ軍から奪取しようとしていたドネツク空港近くの車両内で死亡した。

ウクライナ軍報道官のアンドリー・リセンコ大佐は記者団に対し、「夕方の攻撃で、ウクライナの装甲輸送車とその乗員、空挺部隊が戦車の直撃を受けた」

「激しい戦闘が発生した。空挺部隊は損害を被った」と述べた。

同氏は、この24時間で合計9人の兵士が死亡し、27人が負傷したと述べた。

これとは別に、ドネツク市当局がAFP通信に語ったところによると、同時期に3人の市民が死亡したという。同市は親ロシア派反政府勢力の拠点となっている。

停戦を監視しているOSCE安全保障機構は、ドネツク空港周辺で激しい砲撃があったことを確認した。

また、金曜と土曜にはマリウポリ東部郊外でも激しい砲撃があったと、OSCEのマイケル・ボチキウ報道官はBBCに語った。

停戦発効の直前に、重武装した反政府勢力がクリミアへの主要ルート上にある戦略上の港湾都市マリウポリの近くに移動した。

ロシアは、反政府勢力を武装させ、ドネツクとルハンスク地方に軍隊を派遣したという西側の主張を否定している。4月以降の戦闘で約3200人が死亡している。

ロシアは3月にウクライナのクリミア半島を併合したが、この動きはウクライナと西側諸国から非難された。

その後、欧州連合(EU)とアメリカは、ウクライナ紛争におけるロシアの役割をめぐってロシアに制裁を科した。

ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領は先週、東部危機の「最も危険な」部分は過ぎたと述べ、親ロシア派の反政府勢力との和平協定は維持されるとの見通しを示した。

’怪しいな墓‘

ロシアの国営テレビは数日前から、ドネツク近郊の村ニジニャ・クリンカ近郊で反政府勢力が発掘したとされる「集団墓地」について報道している。ロシアの報道によれば、少なくとも4人の遺体が発見されたという。

テレビ報道によれば、ウクライナ軍と国家警備隊がこの地域を占拠し、至近距離から捕虜を射殺した疑いがあるという。

先週、ウクライナ内務省のアントン・ヘラシチェンコ顧問は、集団墓地疑惑を「全くの嘘」と否定した

OSCEのボシキウ報道官は、OSCEの監視団が現場で「約半ダース(6体)」の遺体(一部は腐敗していた)を目撃したことを確認した。

「私達は標識のない墓を観察したが、性別を特定することはできず、近くには薬莢もあった」と彼は語った。

「OSCEには法医学的評価を行う能力がないため、適切な調査ができなかった」と彼はBBCに語った。

「彼らが撃たれたのか、誰がそこに武器を置いたのかを確認する方法はなかった。」

彼はまた、OSCEはロシアがウクライナに更に軍備を持ち込んでいるのか、それとも持ち出しているのかを確認することができなかったと語った。紛争地帯に入ったロシアの人道援助用貨物車の検査も行われていないと言う。

「現存するものの目録がないので、移動したものがあったとしても、それを確認するのは非常に難しい。備品もマークされていない。

「私達は何が存在していたのか目録を持っていないので、何かが動いたとしたら何が起こったのかを特定するのは非常に難しい。備品にもマークがなかった」と彼は言った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?