2017.7.14 時間を買う

時々、時間を買う。

具体的に言うと、
時々220円のお金を払って、
バスに乗っている。

朝、仕事場のある渋谷に向かうときに、
どうしたって電車に乗りたくない日がある。

定期券のある電車で移動するのが基本だけど、
何となくもやもやと
憂鬱な気持ちになっている日は、
待ち受ける満員電車にうんざりしてしまう。

そんなときに、乗車料の220円と
コンビニで買った珈琲を握りしめて、
最寄駅からバスで渋谷に向かう。

バスは、電車よりも空いていて
だいたい席にも座れる。
人も少ない。

電車で移動すれば15分の道のりを
45分かけて、のらりくらりとバスは走る。

珈琲を飲みながら、
遠回りな道をゆくバスの座席で
流れゆく景色を眺める。

窓からの景色をぼんやり見ながら、
色んなことを思う。

いま抱えてる悩みだったり、
懐かしい人のことだったり、
家族のこと。友達のこと。仕事のこと。
自分自身のこと。

不思議なことに、
このときに、考えがまとまったり、
楽しそうなアイデアが思い浮かぶことが多い。

とりとめのない考え事が、
いつの間にか、希望を感じるような
考えに変わっている。

渋谷に着くころには、
憂鬱だった気持ちも晴れて、
新しい考えやアイデアを胸に抱きながら
仕事に向かえる。
足取りも軽くなる。

私にとっては、
バスに乗ることは
前向きな考え事をする時間を
買っていることと同じで、

それは、わたしの生活にとって
必要な買い物なのです。

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