【7日目の夜】この町での最後の夜から
数日間に渡るポルトガルでのお祭りが終わった。昨日は野宿で、雲ひとつない空の下、寝袋にくるまってたくさんの人たちと一緒に深く深く眠り込んだ。
綺麗な小麦色になって疲れ果てた私は、フラフラの足で大好きなホームステイのママさんのいるお家へ帰る。
当たり前のように地下鉄に乗り、途中で乗り換え、スタスタと出口に向かって歩き、フルーツを買って帰るほど、ここでの暮らしを楽しむことができた。
家に帰るとママさんがおかえりと言ってくれた。シャワーを浴びて今まであったことをはなして、夕食を一緒に食べた。
今日はこの家で過ごす最後の夜で、明日から次の街へ向かう。
伝え残したことはなにもないか?
小さな旅の日常だけど、当たり前が当たり前じゃなくなる暮らしの境目に今いる。有り難さと寂しさをしっかり受け取りながら、最後に問うている。