10日目の夜【旅、最後のよる】

旅、最後のよるは、車のなかからお届けします。

昨日は、赤や黄色や茶色に染まった山を通り抜けて、ぐんぐんとまたトンネルを抜けてきました。こちらに戻れば戻るほど、山も黒に近い緑に戻っていきました。こちらの紅葉はまだなのでしょうか。

その山々を越えて海まで来ることができました。砂浜は冷たくて、裸足で進むとなんか神秘的。波と遊んだら怒られてびしょ濡れになりました。釣り人が口先の長い深緑の魚を釣っていて、これは何かと聞いたのですが、忘れてしまった。骨が青い魚だそうです。お土産の貝殻を探していたらピンク色の可愛いやつをお友達がくれたのでポッケにいれました。

今は湖の近くの広場で、いつものように車のなかにお布団を敷いて楽しく転がっています。でも寒いです。


今日は最後のよる。あと2日間くらい旅するつもりでしたが、東京ももうすぐになりまして、お金ももうすぐなくなるということで、明日帰ることになりました。

とってもさみしい。

最後のよるは、ご飯とパスタを温めて、缶詰のカレーを開けて、どこかで手に入れたパクチーをかけて、ラストナイトぱーてぃー!

たのしかったね、たのしかったね、私たち、生きてけるんだね。貧乏だったけど、豊かなかんじだったね。多分、しあわせは、上をあげるより底をさげた方がいいのかもしれないよ。そうかもしれないね。

気付いたら眠っていて、今こんな時間に起きてしまいました。雨が止みました。

「長旅しよう」そう言ってくれたのはお友達。半年まえくらいから、のんびりのんびり計画。

東京から大阪。場所に意味はないけど、とにかく遠くへ行くこと。観光地はいいや。全然有名じゃない、どうってことのない場所にいこう。そこでいいものを見たら、なにか形にして残そう。それは、おもしろいね!

そんなかんじで、旅をすることになりました。

ここに、形のひとつとして、旅の文章がかけてよかったな。こんなに長旅も初めてでしたが、こんなに毎日文章を書くというのも初めてでした。疲れて、眠くて、楽しくて、書くのは大変だったけど、それでも心のなかみを残したかった。なかみのことは、出してみないと分からないから、どきどきして、たのしい!

だすことは、たのしい!

そんなことを考えながら、今寝返りを必死でうちました。車のなかは狭くてぬくい。しあわせだなあ。

明日も、慎重にゆっくり帰ります。

【よかったこと】
・靴下を二重にはいて間にカイロを挟むこと。
・充電ははやめに済ませておくこと。
・頼れるお友達の言うことをきくこと。
・毎日必ず銭湯でリセットすること。
・楽しかったことを話し合うこと。
・お金の計算をこまめにすること。
・いい予感、いやな予感にはしたがうこと。
・ありがとうをいうこと。
・元気が出るということ。
・毎日、つづけること。
・おいしいということ。

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