秘密
まだ公式に発表されていないことを先に知った時、それを漏洩させる人はどこかにいます。抱えた秘密の大きさが重いからか、単にそれを先に知った嬉しさからか、それともよかれと思って届けるのかは、想像しかできないのですが、噂話が正しかったときは実際ありうることです。
現代の噂話は、単なる伝言ゲームでは終わらず、指先一つで永遠に消えない場所に書き込むこともできます。
噂話の性質自体を否定しているわけではありません。人間が求める欲求なかのひとつとして、よくあることだと思いますし、もしかしたら善意で教えてくれているつもりなのかもしれない、とも思います。
ただ、私は時を経て、公式に発表されることを待つ方が好きです。なぜなら、どこかや誰かの大切なことを、話してしまう方がいる・広めてしまう方がいる・先行して求めてしまう方がいる・ありがたがることさえある、ということは、そのどこかや誰かは、誰かの大切なものや人なのだから、そう思うと私にとってはとても悲しいことだからです。
2020.05.28.