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私がスポーツにお金を払う理由

私は、スポーツ観戦が趣味です。

社会人になり、自分でとりあえずお給料をいただけるようになってからは、観に行くスポーツのほぼ全てはチケットを購入して観戦しています。

それが良いとも、偉いとも別に思ってないですよ。最初に前書きしておきます。

ただ、その理由を書いておこうかな、と思ったのです。



単純に推しに貢ぎたい

貢がせてくれーーー!!!
ほぼほぼこれに尽きるのです。お金使いたいんです。湯水のように注げる富豪ではなくても、ポンと決まった額を出せるスポンサーでなくても、そのときできるだけをチケット代として「あなたを観るためだけにこれだけ払いますよ」と、一般の普通の人なりに意思表示がしたいです。


貢ぐ理由は、期待するのが好きだから

じゃあなんで貢ぎたいのかというと、期待したいんですよね。プロのスポーツ選手がすること、目の前でやってくれること、というものに。
私はプロスポーツ選手のプレーというのは、とても価値があると思っていて、それに対して対価を支払いたいのです。
私はいつも、推し…好きな選手の出る試合を観に行くと、ああ行ってよかったなぁ、と思います。お金かけてよかった、とも思います。払った以上の価値があった、とさえ思います。
それがどんな試合でもです。活躍して勝った時だけではありません。辛い敗戦のときも、本人がきっと不満だろうな、と思う出来の時もです。
彼の努力と仕事の過程その全てが私にとってはお金を払って観る幸せなのです。


惚気ますけども。

だって最高の選手なわけです、私の推し。
私は彼のプレーの事細かい細部まで余すところなく好きで(プレーの詳細は私以外へ需要がないようなので省略しますが)例えば欠点のようなものでさえも、私はそれが改善されていく様を観察するのが好きだったりもします。
コートサイド最前列の指定席で駆け抜ける選手の風を受けながら観るバスケットボールは最高です。
勝手に私が観て勝手に期待していること、ほぼ全てを叶えてくれるのです。
気高く、それでいて、誰よりも泥臭いプレーを厭わない人です。積み上げられた努力や、チームメイトを愛する気配りは、私が見逃したくないと見続けて気づいたところでもあります。
加えて、温かい心が垣間見えるファンサービス。
私は、そのプロフェッショナルさに、いくら払っても惜しくないと思う気持ちがあります。大袈裟でなく。
私が支払うチケット代などは、直接彼の手に渡るわけではありません。それでも、巡りめぐってバスケットボールにお金を払うことが、彼の働く世界全体を豊かにする手助けになればいい、という夢みたいなものはあります。


あなたは素晴らしいんだよ、と言いたい

発声できない時代ですけども。
私は所詮バスケットボールを応援する人たちのあいだでは、選手推し、という見世物小屋の中の珍獣のような存在です。
それでも素敵なものには素敵だよ、と言いたいわけです。
私が言っても別に何にもならない。まあ分かってはいます。ただ、価値は価値がある、と言い続ければさらにその価値ってついてくる、と私は信じるタイプです。
その信用とかを表すのに、お金は簡単で最適だと私は思っています。

タダに近ければ助かるのって、自分のお財布だけだと思うんですよね。安ければ、タダなら行くなら、それはあくまでそこに価値を見出していないときだと思います。

これだけのことができると信じているからこれだけお支払いします、という行為、私はそんなに下品だと思っていなくて、そのつまらない勝手な期待にさえプレーで応え、なおかつ期待を悠々と超えてくる活躍であったり、魅力のある選手が、プロとして尊敬でき、相応しいのではないか、と私は考えています。


「ように思える」幻を買う遊び

とはいえ、冒頭に書いたように、これは趣味です。私にとってのスポーツ観戦は、日常からちょっと離れることのできる、余暇のいちばんの楽しみです。
なので、これは本当は、あくまでお遊びだという意識でいます。

戦っているのは椅子に座って観ている私ではないけれど、一緒に戦っている「ように思える」。
応援には意味がないかもしれないけれど、応援したことで勝った「ように見える」。
お金を払い続けて観ることによって、金を出す価値のある選手だと信じさせることができた「ように思える」。
それがプロなんだと鼓舞し続けて選手が胸を張って試合に臨んでくれている「ように見える」。

スポーツを応援することって、そう見せてもらえてるだけで本当のところは分かりません。
でも、私はそれでいいです。というか、それがいいのです。

励ましが力になる幻想を買う遊び。

タダでは、享受できない遊びです。


だって、悲しくなっちゃうじゃないですか。
観客のチケット代なんかは所詮焼け石に水でしかなくて、使用料とトントンだし、チーム作りにはスポンサー様の大金しかいらないからって、私が汗水垂らして稼いだお金すら、こんな端金いらないよ、って受け取ってもらえなくなったら。

たった2時間の夢くらい買わせてよ。


ちなみに、私が富豪になったらやることはチーム作りではなく、全チームの同じ位置のシーズンチケットを買って、自家用ジェットで推しの出る全ての試合を観に行くことです。


庭から石油出ないかな〜。


2020.12.