ループの先に待つ真実は?『レイジングループ』初回プレイ感想
はじめに
Switchでプレイしていた『レイジングループ』、無事にエンディングまでたどり着きました!
…と言っても、初回、つまり1周目のプレイで見られるのはここまで。あくまでエンディングのうちのひとつ、ということらしく、まだまだ解き明かされていない謎がたくさん残っているみたいです。
思いつくままに今、これを書いているので、まとまりがないかもしれませんが、このゲームの面白さや魅力が少しでも伝わったらいいな、と思っています。すでに次の2周目のプレイが待ち遠しくてわくわくしています。
「失敗」と「死」がストーリーを作る
繰り返しを前提としたユニークなゲーム体験
『レイジングループ』のタイトルが示すように、『レイジングループ』ではループ、つまり繰り返しが、プレイヤーがとる行動の最大の軸となっています。
ゲーム内では『死に戻し』と表現されますが、選択を通して次々と情報が開示され、意図的にバッドエンドを選ぶことで先の展開に進むことができます。通常のゲームなら避けるべき「失敗」や「死」という結果を、プレイヤーはあえて選ぶ必要があるのです。
バッドエンドを繰り返し、選択をやり直しながら前に進むという大胆な仕組みが、この『レイジングループ』のゲームシステムで、このシステムこそがゲーム全体に独自性と緊張感を与えていると感じました。
ゲームのシステムが生み出すアクティブな没入感
個人的に『レイジングループ』は、ストーリーの複雑さや伝奇的な設定・世界観もさることながら、この「やり直し、繰り返す」を前提としたゲームシステムこそが最大の魅力で、面白さの核心にあると感じます。
私の場合、読む・内容を理解する・選択するというスタイルが長く続くと、どうしても作業のように感じてしまい、途中で飽きてしまうことが多いのですが、『レイジングループ』では、この「やり直し、繰り返す」のシステムによって、プレイヤーとして常にゲームの中で能動的に行動する感覚を体験することができるわけで。
意図的にバッドエンドを迎えながらも、「得た情報をもとにして進行を次に進めるためにはどうすればいいのか」という期待感と緊張感で、最後まで集中力が途切れることがありませんでした。これは凄いことです…。
「やり直し、繰り返す」システムの特異性
多くのゲームにおいて、バッドエンドは、プレイヤーの選択や行動に展開上の「誤り」があった結果として描かれます。バッドエンドを一つの結末として楽しむこともできますが、それ自体がストーリーを進行させるプロセスとして機能することはほとんどなく、どちらかというと、真実に到達するために過去の選択をやり直す必要が生じるという具合のものです。
『レイジングループ』の「やり直し、繰り返す」システムは、プレイヤーにやり直しを強いるものの、その意図や目的は通常のゲームとは明確に異なります
『レイジングループ』では、「やり直し、繰り返す」ことそのものが、ゲームの中心的な体験となっています。「失敗」や「死」が単なる挫折やデメリットではなく、ストーリーを進めるために必須の要素として組み込まれています。
つまり、プレイヤーが「失敗」や「死」を通過することは、ゲームの進行において避けられない前提条件であり、そこから得られる情報や新たな選択肢が次のループを可能にします。
この仕組みは、プレイヤーがストーリーや設定・世界観をより深く理解するために、試行錯誤を求めるもので、通常のゲームとは異なる、バッドエンドそのものが攻略の対象になるという特異な方向性を持っているのです。
犠牲や損失を引き受けるシステムの魅力
『レイジングループ』の場合、一度の選択で全てを解決することはできず、バッドエンドを受け入れ、あえて自分を追い詰めた選択を取ることでしか得られない情報や選択が、おそらくゲーム中に数多く存在します。
進行過程において、すべてを効率的に進めることが許されない設計がなされていて、犠牲と損失はプレイヤーにとって、むしろ不可避です。
と同時に、一度の選択ではたどり着けない真実を目指すために、プレイヤーは「失敗」や「死」の先に広がる、自らの選択や行動の可能性を探ることになります。
また、犠牲や損失を受け入れるシステムでは、代償として得られるものや、自らの「失敗」や「死」から何を学べるかにも意識を向けざるを得えないのではないかと思います。
能動的に「失敗」や「死」を体験し、それを活用する方向に自然と意識が向く。言い換えれば、プレイヤーは単に「正解」や「成功」を目指すだけではなく、「失敗」や「死」を次にどう行動すべきか・どう活かすべきかを考えながら進むことになります。
これらの仕組みによって、プレイヤーがゲーム中に取る行動は、選択と結果の繰り返しではなく、選択そのものの意義を問い直し、能動的に選択するという行為へと昇華させているのではないかと思います。
とりあえず、おわりに
『レイジングループ』は、「やり直し、繰り返す」という行為を通じて、ゲームそのものの枠を超えて、選択の意味や可能性、その先にある結果を何度も問い直すことのできるゲームだと思いました。
私はまだ1周目を終えたばかりで、見られたエンディングもほんのひとつに過ぎません。ですが、だからこそ「残された謎を解き明かしたい」「他の結末や真実を見つけたい」という気持ちがどんどん膨らんでいます。
これから2周目に進むのが楽しみで、まさに「次のループに進むのが待ち遠しい!」と感じさせてくれるゲームでした。