【まーおばさん】
事務所に毎日のように遊びに来ていたBさんは、障がいのため「ま」しか話せない方でした。
手提げバッグにノートと鉛筆を入れて、事務所からは一番遠い建物から、ふうふう息を切らせてやってきます。
当時、事務所には阿部寛似のイケメン職員がいました。
Bさんはその職員を気に入ったようで、事務所に来るとまっすぐにその男性職員に向かいます。
そして身ぶり手ぶり、全身を使って一生懸命
「まーまままま、まー、まー、まーー!」と何かを訴えます。
困惑する阿部寛。
伝わらないとわかると、Bさんはイライラした様子でノートに何かを書き始めました。
なんだ。字が書けるのかとほっと安心したのも束の間。
ノートを見ると〇や×、記号とも言えない何かがびっしりと書かれていました。
うーーん。解読不能。。
さらに困惑する阿部寛。
ノートを一目見て
「そうか。。大変でしたね。」
と優しく声をかけました。
それは恐らく、彼の心情ですが 笑
するとBさん。
ぱっと顔が輝き、とても嬉しそうに「まーまままま、まー!まー!」と大喜びしていました。
ますます彼のファンになったBさんは、それから毎日のように事務所に来ては、彼のデスクの隣に座り、ノートに一生懸命記号を書き連ねていました。
書きあげると得意げにその職員へ見せ、困惑している彼の様子はおかまいなしに嬉しそうに話しかけます。
「まー、まままま、まー、まー♪」
笑顔がとても素敵なBさんは、見ているだけでこちらも笑顔になりました^^