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クリスマス直前に彼氏と別れて心がささくれ立っていた咲良に、真っ赤なメッセージカードが届…
舞台に立つ咲良の顔に閃光が走った。スクリーンに映し出された雨雲から雨が降り始める。 「…
「ママ、眠い」 「肩にもたれていいわよ」 「苦しくない?」 「大丈夫よ」 妊娠中のつわりが…
神社のアイドル猫、太郎に似せて招き猫が作られた。誰が言ったかその名はチャリンチャリン太…
彼と運命の出会いをしたのは忘れもしないハロウィンの夜。私は結婚式間近になって恋人に別れ…
友人から分けて貰った青と白のツートンカラーのカニを利尻昆布と一緒に茹でる。カニがうふう…
感情の小さな揺れが電化されるエコ商品という触れ込みの、腕時計型ぴえん充電器を買ってきた。フル充電されると、自治体のゴミ袋と交換出来るらしい。電源ボタンを押すと、『ぴえん』と哀しげな声がした。 手始めに映画でも観てみようかと、動画配信サービスを呼び出すが、どれもぴんとこなかった。小説はどうだろう。本棚を眺めていたら、高校の卒業アルバムに目に止まった。久々に見てみたくなって手を伸ばすと、卒業アルバムの上に置いてあった文庫本が足の上に落下した。 「いってえ!」 声が出たのと同
屋台から漂ってくるソースの匂いにたまらず、彼は私を桜の下に置いて行ってしまった。花見を…
フィルム型石鹸に小説の一説が印刷された『読書石けん』なるものを雑貨店で発見した。 「文…
『夜泣きうどん、いかがですか?』 ビジネスホテルのチェックインの際に勧められた事を思い…
「サカタのやつ」 イラつく正人に透子が携帯電話のアプリを見せた。 「これでサカタって人に…
もうすぐ夜の十二時になる。寝られずに、携帯電話をベッドの上でいじっていた。 カーテン…
「いいもの作ってやろうか」 おじいちゃんはそう言って冷蔵庫からフレッシュジュースのボト…
「うわ。女子高生キットって生々しくないか?」 仕事のパートナーである駒田がわざとらしく顔をしかめた。 「うるさいな。それ仮タイトルだよ。年代別に作るから、駒田もリサーチ手伝ってくれよ」 駒田と自分とで立ち上げた何でも屋が、今はとあるリサーチに特化した仕事が主になりつつある。 「創作キット、女子高生版? そんなの需要あるか?」 「あるよ。と言うか、頼まれたんだよ。知り合いの作家にな」 「女子高生の生態を?」 駒田は変態のようにへへへと笑った。 「バカ。その顔やめろ。今の生