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クリスマス直前に彼氏と別れて心がささくれ立っていた咲良に、真っ赤なメッセージカードが届…
空のお弁当箱から折り鶴をつまみ上げる。メモ用紙で作られた折り鶴の羽にごめんの文字が見え…
感情の小さな揺れが電化されるエコ商品という触れ込みの、腕時計型ぴえん充電器を買ってきた…
屋台から漂ってくるソースの匂いにたまらず、彼は私を桜の下に置いて行ってしまった。花見を…
バナナがデスクに置かれたらリストラ候補だと思え。そんな噂が社内に流れた。なぜバナナなの…
友人の部屋に真っ黒な水槽があった。覗き込んでも泥水のように濁っていて中身が見えない。何…
「いいもの作ってやろうか」 おじいちゃんはそう言って冷蔵庫からフレッシュジュースのボトルを取り出す。目の前に並べられた綺麗なボトルをまじまじと見た。 「さあて。おっと、これもだ」 レモンをぎゅぎゅっと絞った。 シェイカーの代わりだと、蓋付きの密閉容器にそれぞれ、オレンジジュース、パイナップルジュース、最後にレモン果汁を入れると、容器を振った。 「おじいちゃんね、昔はバーテンダーだったのよ。修くん、知ってる?」 おばあちゃんがおじいちゃんに洗ったばかりのグラスを渡す。