≪Art Conservation 2≫修復におけるReversivility
修復の世界では、Reversivilityという可逆性を大切にするという考え方がある。これは、作品の修復に施したものは、将来再度取り除く事が出来る素材であったり、方法であったりするのが望ましいという考え方で、要はやり直しが効くということだ。
修復の現時点での最善の解は求めるけれど、それは未来においても正解とは限らない。絶対はない。
例えば、彫刻の一部を接着するような場合、瞬間接着剤のような一度接着したら取り外しの難しい物は使わない。何故将来取り外す可能性があるかというと、まず使った素材は速度の差はあるものの、劣化するという事。再度接着し直す可能性がある。あと将来もっと適切な素材が出てくる可能性がある。その場合の選択の余地を残して置くこと。接着の位置が正しく無い場合のやり直しも可能で無いといけないし、はたまた接着した部分自体が間違った部分だと後に判明したりするかも知れない。
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