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≪わたしごと10≫ハンズ・オン
ロンドンにホーニマン・ミュージアムという民族学博物館があって、そこにはハンズオンベースという、こどもたちが世界の民族的資料に触れて学ぶというスペースがある。
行って吃驚したが、とても活気があって、こどもたちの"たのしい!"が部屋中に溢れているのが印象的だった。
棚にいくつものプラスチックのコンテナ(60㎝x40㎝程度)が収められていて、それぞれの中に、違ったテーマに分かれた資料が入っている。蓋の裏にこの資料のねらいと説明、扱いのヒントと、学びを促すQが書かれているのだが、作ったのが違った地域のコミュニテーの人たちというのが、面白い。
記憶をテーマにしたコンテナには、記憶を呼び起こす資料って何なのかとか、個人の手紙とか入っていて、それはどういう意図なのか触れる人が考えさせられるようになっていたり。例えば音楽だったら、爪ではじくと綺麗な音がする楽器、縦笛のようなもの、叩くと変な音がするもの、植物の実でできたマラカス。これ何?どこの国のもの?何で出来てるの?どんな音がする?触れて、使って、学ぶ。もしくは、単純にたのしい。
ここでは開いている時間は常に一人か二人専門の方がついていて、資料を戸棚から出したり、取り扱いの説明をしたり、学びを促す質問などをインタラクティブにやっている。学校とも繋がっていて、授業でこのスペースを使ったりもする。
面白かったのは、その日に会ったインストラクターの方が、こどもも大人も同じ感じで接していた所。こどもだからといってこどもに合わせて来ないし、大人だからといって変にちゃんとしたりしない。要は、その方自身が楽しんでいて、ほら楽しいでしょって言ってるみたいだった。
手に取ってそこから得る感覚だとか、重さ、音、匂い、ざらざらしてるとかつるつるしてるとか、そういったものとの直接なコミュニケーションは、とても大事だと思う。なぜなら、知識が簡単に得られるこの時代に、身体をつかって得た情報は、そのひとの経験であり体験で、そういったものは本当の学びだと思うからだ。
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