I-ne(4933) 売上と株価の相関性を考えた
今、私はとあるオンライン講座で、3か月間のデータ分析講座を受講しています。卒業前に、学習した内容を踏まえて、成果物を提出しないといけないので、まずはトライアルで作ってみました。
テーマ: I-ne(4933)の売上と株価の相関性について考える
I-neという会社は東証上場企業で、「ボタニスト」や「YOLU」といったヘアケア商品のほか、サロニアというシリーズで美容家電も展開している会社です。私は、I-neの商品開発力・SNSでのマーケティング力・広告展開力・IR室の丁寧な対応に好感を持っていました。また私自身が、株式投資で暮らしている主婦なので、SNSでの口コミから売上を予測して、それを株価予測に生かせないか?と考えました。
ただ、口コミの書き込みデータが上場以来から集められず、直近2年程度のものしかなかったので、口コミから探る手法は取れないと考えました。
その為、決算発表時の数字(主に売上)と株価の相関性について考えるというテーマにしました。
<進め方>
①上場以来の決算書から、売上高・営業益・経常益と、各前年同期比、EPSを拾い、その決算発表翌営業日の終値株価のデータを集めました。
決算発表はいづれも、15時(東証取引終了後)に行われており場中決算ではなかったこと、また、好材料も悪材料も翌営業日に一旦織り込むのではないか?と考え、終値での集計としました。(下記図)
データ引用元:https://i-ne.co.jp/ir/library/results/ (I-ne決算短信)
https://kabutan.jp/stock/?code=4933 (株探)
②相関係数(ピアソンの積率相関係数)を計算する
講座で習った相関係数式を用いて、2つの変数間の線形関係を計算しました。以下、ChatGPTの助けを借りながら、進めました。
記号の意味:
XiX_iXi : 変数 XXX の iii 番目のデータ点
YiY_iYi : 変数 YYY の iii 番目のデータ点
Xˉ\bar{X}Xˉ : 変数 XXX の平均値
Yˉ\bar{Y}Yˉ : 変数 YYY の平均値
nnn : データのサンプル数(データ点の数)
解説:
分子: 各データ点の XXX と YYY の差異(データ点と平均の差)を掛け合わせたものの総和。
分母: XXX と YYY それぞれの偏差(データ点と平均の差)の二乗を合計し、これらの平方根を掛け合わせたもの。
相関係数の範囲:
r=1r = 1r=1 は完全な正の相関を意味し、XXX が増えると YYY も増える。
r=−1r = -1r=−1 は完全な負の相関を意味し、XXX が増えると YYY は減る。
r=0r = 0r=0 は相関がない、つまり XXX と YYY の間に線形関係がないことを示す。
③2つの変数の関連性を計算
この計算式を使うことで、2つの変数がどの程度関連しているかを定量的に評価できます。
株価と業績(売上高、営業利益、経常利益など)の連動性を確認するには、具体的にこれらの指標と株価終値との相関関係を計算することが有効です。
ここでは、各四半期の売上高、営業利益、経常利益が、決算発表翌日の株価に与える影響を確認するために、相関係数を計算し、それぞれの関係性を見てみます。相関係数は +1 に近ければ強い正の関係、-1 に近ければ強い負の関係があり、0 に近ければほとんど関係がないことを意味します。
この計算を行ってみます。
Pandasを使った相関係数の計算コード
講座で習ったPandasを使いました。
import pandas as pd
#サンプルデータdata =
{
'Revenue':
[5699, 7137, 7194, 7128, 6610, 7465, 8078, 8121, 9913, 9157, 9716, 9801,
10951, 11175, 9082, 11229],
'Stock_Close_Price':
[1880, 1640, 2595, 2550, 2040, 1303, 1925, 2160, 2720, 3345, 3235, 3150,
2798, 2138, 1912, 1744]
}
#データフレーム作成df = pd.DataFrame(data)
#相関関係の計算correlation =
df['Revenue'].corr(df['Stock_Close_Price'])
print(f"相関係数: {correlation}")
このコードを実行すると、Revenue(売上高)とStock_Close_Price(株価終値)の間の相関係数が表示されます。
相関係数を計算した結果、以下のことが分かりました:
売上高と株価終値の相関係数: 0.356
売上高と株価には弱い正の相関があります。つまり、売上が増加する傾向にあると株価もある程度上昇する傾向がありますが、その影響はそれほど強くありません。営業利益と株価終値の相関係数: 0.099
営業利益と株価の相関は非常に弱く、ほとんど連動していないことが分かります。経常利益と株価終値の相関係数: 0.092
経常利益と株価も同様に、相関はほとんど見られません。
結論:
この結果から、業績指標(売上高、営業利益、経常利益)が株価と強く連動しているわけではないことが分かります。特に営業利益や経常利益が株価に与える影響は弱いです。売上高が株価に与える影響は多少見られるものの、株価には他の要因(市場全体の動き、投資家の心理、マクロ経済の状況など)が強く影響している可能性が高いです。