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花と緑のコンシェルジュ      ~十五夜~ 

はじめに・・・

花と緑のコンシェルジュ。。。と言っています。
広島の花市場、創業100年を超えました株式会社花満に勤める和田由里です。コンシェルジュって何?と思われるでしょう。案内人、伝道師。。。最近ではアンバサダーって言葉もありますが、そんな感じです。
花市場を営む家に生まれて、大学を卒業した後、花市場に勤めることになり、今に至る。。。気が付いたら、6回目の年女。ひとまわりを迎えて、私にできることって何だろうと手探りしながら今に至っています。
生産者でもなく花屋でもないので、技術はありません。だけど、花市場に生まれてお花の業界に関わり、花と緑に携わるいろんな人とのご縁をいただき、その方たちへのお返しは、どうしよう。。。?と考え、花に興味がある人に対して、まず、知っていること、思うことを書いてみようと思った次第です。それが、少しでもお世話になった方へのお返しのきっかけにでもなればと思っています。

仕事の中で、LINEのオープンチャットを活用して、暮らしと花や緑の情報をお伝えしています。これは2021年11月にイベントで始めたものですが、イベントが終わったら登録してくれた人はすぐやめちゃうのではないかと思っていたんです。なのに、脱会者が思ったほどなく、せっかくならまだ残っている人たちに花と緑に関するミニ情報でも発信しようかと思い、今現在も続いています。
せっかくなので、これの記録も残したいと思ったこともありました。一区切りの誕生日を迎えた後、今日は「一粒万倍日」だとのこと。一粒のタネをまくことも何かになるかもしれないと思い、ブログとして発信を続けてみようと思います。
短い記事は投稿していたこともありますが、改めて、今日、スタートを切ります。
よろしくお願いいたします。

実は・・・この月は十五夜前の月。私。。。十五夜の満月、見られませんでした。

2022年9月10日は、十五夜


今年の十五夜は見出しのとおり9月10日でした。十五夜は旧暦の8月15日の満月です。旧暦は、ご存じの通り月の満ち欠けを基準とした暦です。

旧暦って、太陰暦かと思っていたんですが、太陰太陽歴(天保歴)というのが旧暦にあたるものだそうです。天保・・・という言葉でわかるように江戸時代に太陽暦に合わせて作られたようですね。江戸時代には暦の見直しが4回くらいされて、その前は中国の暦をもとに毎年作られていたのだとか。。。首を突っ込んでいくとわからなくなりそうですが、日本の暦の歴史は複雑なようです。

十五夜は一年の中で「いちばん美しい月」といわれています。別名「芋名月」。この「芋」は「さといも」のことです。子供のころ、お月見の頃にはさといもの入った白みそ仕立ての団子汁を母が作っていたのを思い出します。
お月見の風習は中国から平安時代に入ってきたもののようで、平安貴族の間に広まっていったようです。季節も秋の収穫の季節にはいる時期で、これからいろいろな機会をとらえて、秋の収穫を祝い感謝する行事が行われていき、伝えられたようです。庶民にまで伝えられ広まったのは、争いが落ち着いた江戸時代だそうです。

定番のお月見の飾り

ピンポンマムを満月にみたてて

お月見といえば、イラストで必ずと言ってもいいほど登場するのは、ススキとお団子。私のイメージだけでしょうか?大半の人は、これらは思いつきますよね。
ススキは「秋の七草」のひとつ。秋の七草は、「七草粥」として食べる春の七草とちがって、秋に咲く花、代表する鑑賞する植物が選ばれているようです。(食べることはないですが、秋の七草は薬効があるものが多く、漢方薬には取り入れられているものが多いそうですよ。)万葉集に登場する山上憶良が読んだ句に登場する植物から選ばれているということです。
秋の野に 咲きたる花を お指折り 書き数ふれば 七草の花
萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝顔の花

秋の七草の中の「尾花」がススキのことです。馬の尾ににているので、このような呼び名なのかなと想像します。十五夜のお月見も「収穫祭」のひとつとも言えますので、お月見飾りに「ススキ」を使うのは、「稲穂」を連想する形でもあるからといわれます。そして、お米をついた粉で作ったお団子をお供えして、秋の収穫の恵みに感謝をします。
この句の中に「朝顔の花」と出てきますが、私たちが知っているアサガオではなく、「桔梗」のことなのだそう。万葉の時代には、まだ「桔梗」は日本には伝来していなかったのだそうです。

ききょう

秋の収穫祭はこれからいろいろ

特に今年(2022年)の十五夜は早いので、近年、温暖化なのか暑さが遅くまで続いていく中、収穫祭のイメージとしては早すぎる気もしますが、季節は確実に秋に向かっていますね。スポーツの秋・読書の秋・芸術の秋・食欲の秋・・・いろんな秋を楽しみましょう。楽しみ方のうちのひとつに、日本人が暮らしの中に取り入れてきた植物を今の暮らしに合わせて楽しみながら取り入れてみてくださいね。日本人は、「島国根性」というような言われ方をしますが、外国の文化にはとても寛容でいろいろ受け入れていますよね。昔は中国からが多かったでしょうが、最近では西洋の文化も。

古来から、人は植物をいろんな形で取り入れ、共生してきました。そんな一コマをご紹介していけたらと思いますので、よかったらまた読みに来てくださいね。



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