アメリカの教育事情①~アメリカの小学校、中学校ってどんな感じ?

Clubhouse「アメリカの教育事情②」で紹介した内容。モデレーターは筆者のほか、LA在住のMakiさん、日本でPTA活動に従事する福田さん。

筆者は2014~2018年まで家族の転勤で米サンフランシスコに在住、当時2人の子供を現地のElementary School、preschoolに通わせた。また、2021年からは二度目の米国で駐在でニューヨークに在住している。以下はその経験をもとにClubhouseで紹介した内容+α。

アメリカの学校制度

アメリカの義務教育はKinder(幼稚園年長)ー12年生(高校4年生)の13年間。Elementary School(小学校)がK-5th、Middle School(またはJunior High Scool)が6-8th、High Scoolが9-12thだが、学校によっては公立でも小中や小中一貫の形態のところもある。学年の区切りは8/9~5/6月。休みの時期、回数は地域ごとに微妙に異なる。公立の場合、基本的に無償だが、学校のPTAによるFundraising(寄付)を募るケースが多い(参加は任意)。

アメリカの教育行政は、国ではなく各州に委ねられており、カリキュラム、教科書、授業方法などは州、学区により変わる。

学齢期の子どもを持つ家族にとって学校区選び(居住地選び)や人種の構成のチェックなどは重要(専用ウェブサイトあり)。家選びをする時には同時に学区のレートも確認するのが普通。
例:Greatschools



日本とこんなところが違う

日米の学校を比較して、大きく違うのは以下のところ(主に小学校)。

・先生のクラス(学年)はずっと固定

アメリカの小学校は先生の異動が日本ほどない(校長、副校長などの管理職を除き)。たまに入れ替えがある場合もあるが、基本的に一人の先生はずっと固定のクラス、教室に属する。つまり2年生の先生はずっと2年生の先生であり、教室も固定。その教室は先生の部屋のようなものであり、生徒が毎年変わっていく仕組み。

・お兄ちゃん、お姉ちゃんと同じ担任?
基本的にアメリカの学校では兄弟、姉妹が同じ先生のクラスになるのが一般的。これは、先生親にとっても先生にとってもメリットがある。上の子供が既にその先生のクラスに属していた場合、親と先生の結びつきが比較的強いため、クラスでの活動に協力的なことが多く、そういう親がクラスの取りまとめ的な立場を担うケースも多い(アメリカのクラス運営は親のボランティア協力が不可欠なため)。
 
もちろん例外はあり、先生との相性が合わなかった場合、親が希望する場合などは予めクラス替えの前にリクエストして、あえてそのクラスを外す場合もある。

Q&A

Q:アメリカの通知表ってどうなっているの?
A:アメリカでは各学期の終わりにReport Cardとして配られる。形態は日本とあまり変わらない(小学校、中学校は4段階のところが多い)。基本的にPositiveなコメントしか書かないのが一般的。

Q:制服はあるの?
A:制服は基本的に私立はあるが公立はないところが多い(ただし、基本的なNGに対するガイドラインがある場合もあり)。

Q:PC事情は?日本より進んでいるの?オンライン授業は?
A:学区、学校にもよるが、基本PCはCOVID前から一人一台、低学年のころから貸与されているところが多い。米国では2021年3月、COVIDが始まった直後からオンライン授業化への移行が比較的早かった(PCのほか、必要な家庭にはWifiも貸し出す)。ちなみに筆者の娘(現在Middleの6th)は学校でChromebookを貸与され、宿題もそれを使って提出。仮にCOVIDなどで通学できなくなった場合も、これを使ってオンライン授業に参加できる。

Q:学校行事はどんなものがあるの?
A: 学校行事でアメリカにないものは入学式、運動会など。卒業式はあるが、学校というよりPTAや親が主催のことが多い。いわゆる「修学旅行」はないが、似たような位置づけの郊外学習・旅行的なイベントはある(参加は任意)。筆者の子供はカリフォルニアで5th(小学校最終学年)の時、修学旅行的なものとして「Outdoor Education」という野外教育を中心としたプログラムに4泊5日で行ってきた。



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