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この恋を星には願わない 1〜3巻感想
ここ1、2年で販売された百合漫画の中でもっとも熱いと言っても過言ではない作品が、この「この恋を星には願わない」ではないかと私は思っている
”それぞれの「好き」が交錯する、美しく淡いラブストーリー
幼い頃からいつも一緒に過ごしてきた冬葵と瑛莉と京。
これまでずっと友達としての関係を続けてきたが、冬葵は瑛莉に対して友達以上の感情を抱いていた。
そんなある日、3人は久々に遊園地に遊びにいくのだが、そこで冬葵は自身の恋が叶わぬものであると知ってしまい――”
ストーリーは幼馴染の3人組による三角関係
個人的にポイントが高いのが、女2の男1の三人組というところ
個人的な趣味にはなるが、百合漫画には積極的に男を登場させるべきではないかと常々思っている
なんなら秋山はる先生の「オクターヴ」のようにガッツリ抱かれるくらいまで行けばいいのにというのが私の想いだ
男と関係を持った上で、それでも貴女が好きと言えるような女の子が好きなだけなのかもしれないが
閑話休題
淡いタッチの絵の感じ、息をつかせぬ程の怒涛のストーリー展開、この作品の一番の魅力は何なんだろうか
冬葵の瑛莉を見つめる視線の熱さと諦観を込めた気持ちを描いた様には心が締めつけられるし、セリフやモノローグのないページの余白の描き方も素晴らしい、例えば第一話、瑛莉と京が一緒にいるところを窓から見つめる冬葵の背中にはどんな言葉よりも雄弁に彼女の心情を語っている
こういった空白の描写の美しさもさることながら、3巻までの感想としては、やはりこの作品の魅力は黒川先輩の存在が大きい
少なくとも私は黒川先輩がどうこの3人と接していくかに注目している
黒川先輩とは文字通り冬葵の高校の先輩であり、付き合い始めた瑛莉と京の仲睦まじい状態を応援するための冬葵の偽りの彼女として登場するのだが、とにかくこの人がいいキャラしている
冬葵の瑛莉に対する想いをちゃんと知った上で、最初は踏み込まないようにしているのだが、あまりにも冬葵が辛そうにしている姿を見て、ついつい瑛莉に強めにあたってしまうという、その人間味に惹かれる
特に3巻で、黒川先輩に嫉妬し、冬葵を抱きしめる先輩に対して「冬葵に触らないで!!」ってキレる瑛莉と、ただの幼馴染が何を言ってるのというスタンスを崩さない先輩の言い合いはたまらないものがあった
なぜここまで先輩が冬葵に肩入れしているのかはまだよくわからないが、そこも掘り下げてくれるんだろうか、それとも読者の想像に任せてくれるんだろうか
3巻まで読んだ感想としては、我儘な瑛莉に振り回される冬葵と京、冬葵を守るナイトのような黒川先輩という構図になっていて、正直ここから冬葵と瑛莉がくっついてもそれなりの消化不良感が私に発生しそうなのが気がかりなところ
ネットで3巻の続きの16話を読んだのだが、実は京が合宿の瑛莉とのゴタゴタのあとに言い寄ってきた後輩とワンナイトしていたことが発覚したのだが、これはもしかして京と瑛莉がこのまま別れて、一人寂しく打ちひしがれている瑛莉に冬葵が手を差し伸べるパターンかい?
3巻までは我儘な瑛莉が今後改心して、どうにか読者目線で許せるようになる日が来るのだろうか、実はこの作品は冬葵が主人公と見せかけた瑛莉の成長物語なのだろうか、今後の展開から目が離せない