慣れない街でランチを食べていたら前の会社を思い出した
数ヶ月前に会社を退職した私は、今はギリギリ生きてるフリーランス。
インタビュー取材の前に昼食を済ませるため、あまり降りたことのない駅の周りでお店を探していた。
肉バルのランチメニュー、牛肩ロースのステーキ丼が美味しそうだ。
薄暗い店内、ワイングラスホルダー、並んだワインボトル。ここが夜にはお酒とお肉を囲んで談笑する場所であることを主張している。
店内にはお昼休憩にきたと思われるスーツを着たサラリーマンたち。
平日の昼間に一人でランチを過ごす私は、周りの社会人に馴染めているのだろうか。
周りと同じく、会社を抜け出してきた一社会人に見えているだろうか。
会社員だったときはテレワークが基本だった。月に1、2回の出社日にはお弁当を作らず、美味しいご飯屋さんを開拓するのを楽しみにしていた。
グルメな上司がわら焼きのお店を教えてくれたり、あそこの寿司屋はランチだとお得に食べれると教えてくれたり。
そんな話を聞くのは楽しかった。ときには食べに連れて行ってもらった。
あの時間もたしかに楽しかった。でも惜しいわけではない。戻りたいかと聞かれたらそうではない。
ステーキ丼は冷めても美味しかったけれど、出来立ての温かかったときが一番美味しかっ
た。
入社当時の熱を忘れてしまった私のようだった。
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