カルシウムのお話し[2]
日本人に増えている大腸ガン
大腸ガンは、かつては欧米人と比べると日本人は少かったのですが、
食生活の変化等で増加し、現在では日本人の死因の1位となっています。
カルシウムと大腸ガンの関係
大腸ガンの入院患者836名(成人)と
同年代で大腸ガンにかかったことのない人840人を対象に、
食べている食品の種類と量を調査し、
1日あたりのカルシウム摂取量で5つのグループに分け
各グループの大腸ガンにかかるリスクを比較しました。
最もカルシウムの摂取量の少ないグループのリスクを1として比較すると
最も摂取量の多いグループのリスクが大幅に低くなる(0.64)という結果が得られました。
この研究によると、
1日あたり700mg以上のカルシウムを摂れば
大腸ガンのリスクが下がると考えられますが、
日本人の成人の平均摂取量は男性510mg、女性508mgと 非常に少ないのが現状です。
カルシウムの働き
カルシウムの大腸ガンのリスクを下げる関わりは
脂質を吸収するため小腸に分泌される胆汁酸は、
大半は小腸の下部で吸収されますが、
大腸にまで達した一部の胆汁酸は、特定の腸内細菌の働きで、発ガン性がある二次胆汁酸に変えられます。
カルシウムには二次胆汁酸と結合して無毒化し、排泄する働きがあるとされています。
今日は、少し頭が痛くなるような内容でしたが、とても大切なことなので、できるだけ簡潔にお話しさせていただきました。
カルシウムは、骨や歯以外にも身体の中で重要な役割を担っています。
参考資料
Cancer Epidemiol Biomarkers Prev.2008;17(10)2800-2807