彼女、のこと。
そんなに日常にはドキドキすることもないし、その分おだやかな時間があって、わたしはわりとそっちを愛している。変わらない日常は安全で、安心で、かけがえがない。手の届く範囲で冒険すればいい。
と、思ってるはずなのに、どうやらわたしの中にはもう一人わたしがいるらしい。彼女はとても衝動的で、破壊的で、エキセントリックで、ギラギラしている。わたしは彼女のことも愛している。
彼女は女優で、わたしは主婦だ。
わたしは、彼女で、彼女は、わたしだ。一緒に生きていくしかない。
わたしは、おだやかな日常を欲しているし、彼女は舞台の上にいることを望む、けど、わたしは彼女が板の上に立つところを誰より見たいと思っている。彼女はずっと我慢していた、1年以上もの間、これがわたしの人生だなんてすました顔をしていたけど、きっと我慢していた。彼女が幸せだと思えないならわたしの人生だって灰色だと思う。
9月、彼女に会える。わたしの身体を使って彼女が動く、その喜びを細胞の一つまで味わおう。いくつになっても、はじめの一歩は歩んだもん勝ちだ。なんどリセットしてもいい、彼女の一歩が大きく踏み出せますように。
そんな、彼女、のこと。
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