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大嫌い

これほどまでに私は深く追い詰められたことはない。

それも夏になってしまった。夏がもっと嫌いになった。嫌いになりたくはないのに。そんなはずじゃないのに。それがたまたま夏だったていうだけで。夏は全部がむき出しになる。今日食べたトマトみたいでそれが頭にこびりついて離れない。酸っぱいからといってミニトマトより少し大きいトマトを一口ずつ口に入れる。すると真っ赤に染まっていた皮が一部欠け、ぐちゃっと甘酸っぱいものが露わになる。それを見てこわくなる。

やらなきゃいけないことなのに、明日にはそれが始まるのに、なにも手につけてない。今週を飛ばしたい、早送りしたい、×32くらいで。欲を言うなら消したい。こんなに明日が怖いと思ったことはない。プレッシャーを感じて緊張して自分を着飾って、いつもと違うことをして、同じ人を一生懸命探してみても見当たらなくて、どれが本当の私なのかと思いながらさまよって、ずっとさまよい続けてて、出られなくて。

いつもなら心に響くドラマのセリフも全く意味がわからなくて、なんで理解できないのって必死にしがみついて聞くけどその必死さの方に集中してしまって、私と私が重なる。何重にもなって。聞きたい私と、必死に耳を傾けて聞こうとしてる私、。うまく言葉にできない。

一本の映画を観た感覚を今すぐに味わいたいのに。終わったと思ったらまた次ってそこまで容量よくないの。このまま何もしなかったらその物事って進まないんだよね、私が動かない限り、変わらないんだよね。気づいちゃったね。

私は金子みすゞと一緒って思う。わたしはふしぎでたまらないんだよ。なんでみんな当たり前だと笑っているのって。今金子みすゞと話したい。今この胸に一生ほどけない細い糸はなに、なにを言ってるのって。ここ最近、というか前からずっとそれが気持ち悪い。なんでみんなそんな平気な顔していられるの。わかった、私を陥れたいんだ。その手にはならないよ、のっちゃった方が楽なんだろうけど。

夏の夜はやっぱりだめだなあ。
冬の夜はもっとやだ。
この世界が憎い。春と秋に逃げようか。春は鼻が痛くなるからやめよう。秋に逃げよう。毎年秋が長くありますように。なんならずっとでもいい。ずっと秋がいい。


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