「紹介」の上手な人が込めるもの
人と人とをつなぐのが上手な人というのがいます。ちょっとしたパーティーや大人数の飲み会などの場で、「この人は○○をやってる××な人で、△△さんとも仲がいいんですよ!」と、適切で短く嫌味のない紹介をサラッとできてしまう人です。
こういう人は、顔が広いのはもちろん、紹介する両者がどんな特徴・興味を持っているか正確に把握しているんですよね。左側に「歴代首相」が、右側に「政策名」が並べてあって「正しく線で結びなさい」みたいな社会のテストの問題があると思うんですけど、人と人との間で、あれを即座にやっちゃう。1本引けたら充分なその「線」を、2本も3本も引いてしまう人もいて、名人芸だな〜まねできないな〜と感心してしまいます。
いつもそうした「名人」たちのお世話になってばかりでギブ&テイクでいうとテイク&テイク&テイクなぼくに、つい昨日、後輩から予期せぬ依頼がまいこみました。
「ぼくの推薦文を書いてもらえませんか?」
とある会社の中途採用募集に応募するにあたり、知人から推薦文をもらう必要があった彼。光栄にもその大役をぼくに振ってくれたのです。テイクしかしてこなかったツケがやってきました。
後輩のいいところやかわいいところと、その会社が欲しいと思いそうな人物像をどう重ねるか。これまで目にしてきた名人芸を反芻しつつ苦心するなかで、ひとつだけまねのできそうなところを見つけました。
愛です。愛。
いい紹介には、愛があるんですよね。意図せずにじんでしまうぐらいの強い愛が。「この人、ほんといい人で」と言われるより、「こいつほんとバカで!」と言われる方が愛を感じるじゃないですか。それが信頼になり、期待になります。
多少つたなくても、愛情だけは忘れないように書かせてもらおうと思います。
もうちょっと、待っててね。