夏休み① 羽田→ロサンゼルスへ。
夏休みで海外へ。
午前中の羽田はうわさ通りごった返していて、保安検査所の列は昔のiPhoneの発売日のように延びていた。最後尾には看板を持った警備員が立ち、最低限の英語で案内をしている。
その列に並びながら、古賀さんの新刊『さみしい夜にはペンを持て』を読む。「今の気持ちを書こうとするから書けないんだ。過去の自分を見つめて、そのときの気持ちをスケッチすればいい」といった内容のことが書かれていて、深く納得する。
深海にいるような気分で読み進めているうちに、検査所の入り口にたどり着く。パソコンやタブレットをかばんから出す必要はないらしい。国内線に乗ったときは出したはず。国際線には最新鋭の機械が配備されているのだろうか。
待合で六厘舎のつめけんを食べ、仕事の通話を少しだけして、機内に乗り込む。ようやく海外に行く実感が湧いてくるが、ワクワクよりは仕事などへの不安の方がまだ大きい。離陸。
読みかけの本、見かけのドラマ、毎週見ているバラエティ、ずっと見たかったドキュメンタリー、行き先にちなんだ映画、落語、30分しかプレイできていないゼルダなど、どう考えても12時間のフライトでは処理できないものを持ち込む。
海外に行くときはいつもこう。取り過ぎのビュッフェみたいにコンテンツを抱えてしまう。毎回これをやるのはぼくに学習機能がないからであり、おそらくこの準備自体に楽しみを見いだしてしまっているからだ。もちろん見きれないので無駄っちゃ無駄な作業なんだけど、Netflix・Amazonプライム・U-NEXTで同時にダウンロードをかけている時間は至福。
結局今回の飛行中に堪能できたのは『ゴッドタン』の最新回と、『千原ジュニアのヘベレケ』第100回ぐらい。『古今亭志ん朝 大須演芸場』の「風呂敷」は、聴いてる間に深く眠ってしまい、起きたらディナータイムが終わっていた。
機内サービスにIPAがあったので、それだけもらってまた眠る。日曜日の正午に東京を出た飛行機は、日曜日の朝6時にロサンゼルス国際空港に着いた。