【MLB】終わらぬATLとNYMの戦い
*本記事は2024/9/18に書いてます。
こんにちは。YUPSIRONです。
MLBのレギュラーシーズンも終盤を迎えています。
終盤になると記録について目を向けられ始めており、MVPレースや各項目の受賞候補者について議論がされています。また最近は大谷翔平(LAD)の50HR-50SBやホセ・ラミレス(CLE)の40HR-40SBなども注目されているのでまだまだ楽しみはたくさんあります。チーム単位になるとやはり優勝争いとWC争いでしょうか。特にWC争いは例年激しくなりがちであり、今年もNLでWCの2枠を4チームが争っています。今回はそんな4チームのことについて話していきます。
NLのWC争いについて
NLのWC争いは3枠に入れる可能性があるチームがALに比べて多くなっています。SD、AZ、NYM、ATL、CHCまでが枠を争っており、連敗が許されない緊迫した状態です。CHCは大型連勝が必要なのでかなり難しいですが、他4チームは4ゲーム以内の差になっているため、各チームのファンは毎試合ごとに一喜一憂していることでしょう。私もNYMファンなのでハラハラしながら試合を見ています。ただCHCとSD/AZ/NYM/ATLでは決定的な違いがあります。というのもSD/AZ/NYM/ATLはそれぞれ各地区同士で直接対決3連戦を残しており、ここの勝敗でWC圏内に入れるかどうかになると考えられているからです。西地区はかなりSDが制しそうな戦力なのかと思いますが、東地区ではNYMとATLの戦力を考えるとATL側に怪我人が多いことも相まって拮抗しているため、2022年のNL東地区優勝争いであったような白熱した3連戦になるのではと予想しています。ここからは各球団の今季戦力分析をしていきます。
各チームの戦力分析
サンディエゴ・パドレス
スーパースターを揃えて挑む打倒LA!
今季はオフにソトをヤンキースに放出してソリッドな先発となったキングを獲得するなどバランスが良いチームを作りました。またトレードが上手いAJプレラーGMがエースになれるシースや2年連続で首位打者を獲得したアラエスをファームシステムを崩壊させずに獲得しています。布陣としては先発ではダルビッシュ、マスグローブ、キング、シース、ウェルダンで野手でもタティス、マチャド、ボガーツ、アラエスと実績がある選手も揃っており、NL西地区ではAZと2位争いとなるのではという前評判でした。ウィークポイントはタティス以外の外野陣でルーキーでマイナーではショートだったジャクソン・メリルと帰ってきた元プロスペクトランキング1位のプロファーになると考えられており、かなり疑問符が付いていました。実際にシーズンが始まるとメリルとプロファーが素晴らしい活躍をしてNL内でも最高峰のOFとなりました。特にメリルは新人王が当確レベルであり、シーズンでも20HRを超えています。ただ誤算だったのは先発でダルビッシュとマスグローブがそれぞれ2ヶ月以上の離脱になってしまい、エース級投手が 3人揃う予定が1人しかいない状態になりました。そんな2人も戻ってきており、WCでは1枠目の一をキープしています。個人的には戦力を見るとパドレスは頭ひとつ抜けている印象があるのでプレーオフでも勝ち抜ける可能性が一番高いと考えています。ここ数年は常にスター軍団でを揃えており、今年のLADは昨年同様に投手陣がプレーオフレベルではないと思うのでAZが昨年スイープしたように勝てるチャンスかなと思います。
アリゾナ・ダイヤモンドバックス
圧倒的打撃力を見せる昨年NL優勝チーム
シーズン序盤はかなりチーム状況が浮き沈みしており、特にチームの柱であるコービン・キャロルが大不振で打率も1割台となっていました。しかしオールスター明けからは完全に復調して8月には月間MVPに選ばれました。またケテル・マルテがMVPレベルのシーズンを送っており、その他にもクリスチャン・ウォーカーやガブリエル・モレノも昨年から大きく成績を落とさずにシーズンを戦えています。前評判では協力投手陣とバランスが取れた打撃陣となると思われていましたが、投手陣についてはほとんど壊滅したと言っていい様な状況になりました。エースのギャレンを筆頭にFAで獲得したモンゴメリーやケリーなど不振や怪我の選手が多くなっています。実際にオールスターブレイク前までは勝率5割近辺をウロウロしている感じでしたが、後半戦は凄まじい追い上げを見せて一時期はLADと10ゲーム差あったのに対して直近では3ゲーム差まで詰めるなどパドレスとともにNL西地区を面白くしている存在になりました。ここから同地区対決となりますが、SFやCOLとの試合が残っているため、他チームに比べて余裕はありそうです。
ニューヨーク・メッツ
Mr.スマイル率いるMLB屈指の打撃力と安定した先発陣
昨年TDLでチームを解体してブリッジイヤーと見られていた今シーズンに思いがけないサプライズとなりました。シーズン序盤は前評判以上に負けが重なってしまい、5月時点ではTDLの売り手候補として名前が上がるほどでした。しかし6月にチーム状況が一気に変わります。打撃不振だったリンドーアやニモが復調して怪我からアルバレスが帰ってくるなどチームが完全体に近づいていきます。特に6月以降の勝率はMLBでもトップであり、借金が最大11あったのが現在は貯金6と快進撃を続けています。MVPの対抗馬に挙げられるほどになったリンドーアが先日腰痛で一週間の離脱となったことや中盤から崩壊した中継ぎ陣が立て直せていないことなど懸念点を考えると踏ん張りどころではありますが、今季ブレイクしたビエントスを筆頭にJ.Dやアロンソなどのリーグでも得点力が高い打線に直近は安定感がある先発陣でWC圏内に残れるでしょうか。
アトランタ・ブレーブス
怪我人や不振選手が多いも引き継がれる”勝ち切る力”
昨年まで地区で無類の強さを誇っていたが、今季は序盤から不振や怪我で軒並み離脱してしまっています。特に昨年MVPのアクーニャやライリーが怪我などで例年並みの活躍ができず、強みであった打線が機能していません。唯一DHのオズーナがリーグでも有数の成績を誇っており、一時期は三冠王を目指せるほどでした。そんな中で今季この位置にいるのはやはり投手の力が大きいでしょうか。シーズン序盤にエースのストライダーが全休となってしまったものの、昨年末にトレードで獲得したセールがNLサイ・ヤング賞当確レベルの成績を残しており、見事なカムバック果たしています。他チームと違い、どん底までチーム成績が落ちたということがなく、安定して勝ち続けているので勝ち方を知ってるチームなのかと考えています。NYMとの3連戦でスイープできればプレーオフ出場は固いでしょう。
シカゴ・カブス
屈指の打撃陣と左腕Wエースを抱えて再びコンテンダーへ
昨年はあと一歩まで迫り、本格的にコンテンダーへ返り咲きを狙うシーズンでした。オフにはなんやかんやありつつもベリンジャーの残留させることに成功しており、FAでアストロズからリリーフエースのネリスやNPBから今永昇太を獲得しました。前評判ではNL中地区優勝候補でしたが、序盤から中々勝ち切ることができず、貯金を作れない時期が長く続きました。特に誤算だったのが打線と先発陣でした。打線ではベリンジャーやモレルの不振によって噛み合わず、また先発陣もスティールは若干出遅れたものの、今永とともに左腕Wエースを形成してくれていますが、他先発陣はあまりパッとせず、中継ぎも強みにはなっていないので押し切られて負けることが多い印象です。現状はかなりキツく、残り試合を9割以上の勝率が必要ですが、過去NPBでも2019の阪神がCS出場確率1%から6連勝でCS出場を決めたことがあります。果たして奇跡は起こるでしょうか。
*追記:9/23時点でWC枠に入れないことが確定しました…
では直接対決を控えているNL西地区の2チームと東地区2チームの勝敗予想をしていきます。
NL西地区で勝つのは…
ここはSDが2勝1敗で勝ち越しすると予想します。SD側は勝つイメージが何パターンか思い浮かぶのに対してAZは打ち勝つイメージしか出てこなかったからです。特にシース、ダルビッシュ、キングが投げた場合だと全員を打ち込むというのは非常に難しいでしょう。また打線についてもSDに軍配が上がると考えており、要所で勝負強さを見せてくれるメリルがいるのはかなり驚異になります。スイープ予想しなかったのは逆に先発投手全員がAZ打線を完璧に封じられるかが怪しく、シース以外の誰かは捕まってしまうのではということで2勝1敗としました。AZ側がSDをスイープする可能性は低いですが、SD側からは打ち勝てればスイープチャンスはあるのかなと思います。
NL東地区で勝つのは…
願望も込めてNYMが2勝1敗と予想します。メッツ側の先発がセベリーノ、マナエア、ピーターソンになりそうで今季チームを支えてくれているメンバーなので良いピッチングを期待したいところです。中継ぎは怪しいので7回ずつなえてくれるとパーフェクトでしょう。打線については直近の試合でアルバレス、ビエントス、アロンソの調子が上向きなので3人の長距離砲に期待です。ただリンドーアが出場するかどうかがかなり重要だと考えており、出場しないのであれば勝敗はひっくり返るかもしれません。どちらにしてもお互いスイープはないのかなと思います。スイープされたら今シーズンは終わりやからね‥
NLのWC枠予想
直接対決の勝敗予想からこんな感じでWC枠は埋まりそうです。
WC1:サンディエゴ・パドレス
WC2:ニューヨーク・メッツ
WC3:アリゾナ・ダイヤモンドバックス
圏外:アトランタ・ブレーブス
1位と3位の予想はかなり固いのかなと感じています。逆に2位のメッツはブレーブスに勝ち越せればこの位置になるのではないか考えています。逆に負け越してしまうと次の相手がMILというNL中地区優勝チームのため、ズルズルと負けてしまいそうな気がします。メッツとブレーブスの位置は直接対決の成績で真逆になりそうです。
最後に
今年のMLBはチーム単位でのサプライズが多くありました。KC/CLE/DET/BOSの躍進、ATLの王朝崩壊、CHSの歴史的敗戦ペースなど時代の移り変わりを感じました。特にATLの王朝崩壊は怪我人ありきですが、PHLとNYMが力をつけてきたので来シーズンに怪我人が帰ってこれば…となるかは怪しいところでしょうか。NL東地区はNYMのオフシーズンの動き次第では3チームが争う群雄割拠の時代が再び来そうに感じます。レギュラーシーズンの試合も残り12試合を切りました。NYMがシーズン当初では考えられなかったプレーオフへの進出して欲しいです!!
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