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浮世忍びくどき歌
作曲年/2019
編成/バリトンとチューバ
テキスト/忍びくどき木やり(「淋敷座之慰」より)
演奏時間/約9分
低音デュオの委嘱による
English title: Ukiyo Shinobi Kudoki Uta
Year of composition: 2019
Instrumentation: baritone and tuba
on 'Shinobi kudoki kiyari' from "Sabishikiza no nagusami"
duration: approximately 9 minutes
commissioned by and dedicated to Teion Duo
作曲ノート
日本の言葉ならではの歌を作曲することについて、声明、能の謡や落語などとのコラボレーションの経験をもとに、考え続けている。《浮世忍びくどき歌》は、歌と三味線の手の関係性を、バリトンとチューバで翻訳するように作曲した。端唄や三味線組歌などを聴くと、ここに三味線が入り、歌がこう入ってくる…なぜだろうと、未だ腑に落ちないことが多々あり、それを少しでも解明したいと思った。
テキストには、江戸初期の流行歌謡を集めた『淋敷座之慰(さびしきざのなぐさみ)』から「忍びくどき木やり」を用いた。囃子言葉や擬音が多く出てくるのが面白い。毎小節のように拍子が変化し、バリトンには度々四分音が指定されるという複雑さだが、微妙な抑揚やふしの揺らぎを表現するためで、あくまでも自然に流れて聴こえるよう気をくばった。
同時期に並行して、国立劇場委嘱による、隆達小歌をテキストとした《夢のうき世の、うき世の夢の》を作曲していて、二作品は相互に関連している。
使用テキスト
やれかんかれ/\是見てひいた
風も吹かぬに妻戸のなるは かぶろでて見よ殿ではないか
とのぢゃ御ざりませぬ桁をはしる風ぢゃ
ちん/\からりのちんからりとうつは 鍛治の槌の音
うつたるたぬきの腹鼓 たまさかにきてねて打つを
いてなうとのご夜明の鐘が
つくつつてん/\ちやん/\すほゝ
ひやりつろ/\りつろう/\/\ろと
つひやりひやりつろるりちやうろかねが。
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Performance history
(As of 13 August 2022)
2019年4月24日 - 世界初演
低音デュオ第11回演奏会
@杉並公会堂 小ホール(東京都杉並区上荻1丁目23-15)
演奏/低音デュオ[松平敬(バリトン)、橋本晋哉(チューバ)]
www.facebook.com/events/282068812484584/
2022年4月27日
低音デュオ第14回演奏会
@杉並公会堂 小ホール(東京都杉並区上荻1丁目23-15)
演奏/低音デュオ[松平敬(バリトン)、橋本晋哉(チューバ)]
tiget.net/events/167539
fb.me/e/2hb89KP5r