【海の森行ってきました〜群馬県立自然史博物館〜】
先日こっそり,群馬県立自然史博物館で,企画展「海の森」を見に行ってきました。「海の森」展は,海藻とその周りの生き物,人間との関わり,自然全体との関わりへと,ミクロからマクロの視点へ,見て歩きながら直感的に「体感」できる展示の構成になっていました。館内は歩いていても,海の中を泳いでいるかのように,音響・照明・展示に工夫が凝らされていて,最初から期待できる感じ…あたかも夜の海の森を散策しているように見て回れました。
展示の内容の多くが,企画された学芸員さんがなんと,自らダイビングのライセンスをとって,季節ごとに海に潜って撮影した写真や,海中や波打ち際から自分で収集してきた海藻資料(許可されて採集したものとのことです)を使用しているとのことで,かなり驚きました。さらに,エントランスには海中の音も,音響効果として流れていましたが,これも学芸員さんが海に潜って録音したそうです。学芸員さんって,展示に関して,妥協をなさらないんですね。すごい!
地味なんですが,個人的にグッときたのは,海藻の押葉標本でした。色ごとに分けてありましたが,ページをめくってもめくっても,海藻や淡水の藻類の標本…色や形も色々。膨大な藻類の多様性が直接伝わってくる物量と海藻の形態の多様さに,圧倒されてしまいました。この標本をひたすら眺めること1時間…それでもまだ紅い標本だけしか見られませんでした(涙 でも,植物が好きな私にとって,藻類の造形の美しさは飽きることがなく,本当に素晴らしい標本だと感じました。
展示はバラエティに富んでいて,まだまだここで色々紹介したいのですが,何しろ本企画の趣旨は,体験的展示とのことですので,まずは,前知識なく行ってみて,体で感じてきてくだサイ。パズルやカルタも(美しい手作り♪),写真撮影禁止でしたが,非常に美しい海藻押葉アートなどの展示もあり,子供さんだけでなく家族で,のめり込めることは必定です♪
また,海藻が海に対して担う役割は,地上で樹木が担う役割とも共通していたこと,逆に海藻たちが直面している問題,特に生活様式が変わって,海の恵みに人々があまり関心を示さなくなっている現状は,私が日頃感じている森林,山の恵みのありがたさや,逆に問題とも合致して,違和感なく自分の中に入ってきました。企画した学芸員さんの,自然環境全体に対する問題意識のようなものが,なんとなく感じ取れました。これだけの展示,どのくらい準備期間に要したかお尋ねすると,約3年間かけて,準備されたとのご返答でしたので,とにかく圧巻であった事は,お分りいただけるかと思います。いやもう,ホント,楽しかったです!
追記:海藻標本は,全て収集するのに7年間かかったそうです…すごくたくさんあったので,納得です。お詫びし,訂正します。
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あ,実は私も11月23日,この展示の中で企画されているシンポジウムにちょこっと登壇します。ほんとちょっとなんですが…山の恵みを得ることが,山をどのようにしていくか…みたいなこと,お話をさせていただきます♪
これはまた,あとで宣伝させてください♪