【若い人たちから学ぶ。そして…】
最近,運の良いことに,会社にたくさんのお客様がお見えになります。ガチ林業の方,アーボリストさん,生き物好きな方,素晴らしい写真を撮られる方,古い文献を頼りに旅をされる人,山の資源をいろんな方法で活用したい方,自分よりも年上の方,同年代の人,そして若い方々。一度お話を伺ってみたいなぁ…と思っていた方々に,リアルで,そしてSNSを介してお目にかかれる。いい時代になったなあと思います,本当に。
先日,若い林業経営者の方にお目にかかる機会を得ました。私たちの若い頃って,なんとなく分業化が進んでいて,自分の仕事の範囲をきちんと全うすることが美徳の一つのようなメンタリティだったのですが(それもとても重要と思っています),その経営者の方は,ご自分でもバリバリ現場の仕事をされながら,しっかり経営者としての判断をされている様が,なんとも頼もしく私たちの目に写りました。また,ご自分の守備範囲の仕事以外の考え方にも興味を持って,私の会社で取り組んでいる事を,熱心に聞いていらっしゃいました。今の若い方って,職域の壁のようなものを軽々と超えてしまうんですね。すごいなぁ。
その方に限らず,若い方々の頭って本当に柔らかく,時にリスキーだなと思うことも,失敗も,乗り越えるバイタリティーに溢れていることに,いつも驚きを隠せません。なので,私は出来るだけ若い方の考えていることに触れていたいなぁと常々思っています。すごく面白いから。じゃあ,私たちは学ぶ一方なのか…ということも合わせて考えたりします。何ができるんだろう。
先日SNSで,若い方々の,あるイベントについて少し議論が起こりました。イベントを含め,活動自体が未熟であるとか,現場技能者の技能そのものを馬鹿にしているだとか,しかしその一方で,果敢に新しいことを取り組もうとしているので,一概に批判だけするのはどうなんだ,とか喧々轟々。その議論の内容は,それぞれに正しいと思いながら,その動向をウォッチしていました。が,ふと,自分の若い頃をちょっと思い出しました。未熟で不遜で,とんでもない若い頃の自分を。そんな自分が現在どうしてなんとかやっていけているのかを考えると,そこにはアホな私を黙って見守って,SOSを発信した時に,ちょっとした説教と,暖かい助力の手を差し伸べてくれたオトナの存在がありました。なんだか,書きながら思い出し,赤面してます,ホント。みなさま,その節はありがとうございました。
オトナが若い方達をオトナの正義で批判してしまうと,若い方々の芽を潰してしまう可能性があるかもしれません。ちょっと今回,そんなふうに考えました。オトナって本当に胆力が必要ですね。胆力で黙って見続けて,SOSが発信された時や,ちょっと意見が欲しいとか,手を貸して欲しいと言われた時に,それができる力を蓄えておかなきゃ,とそんなふうに感じています。まあ,キレイ事ですが,今はそんなふうに感じています。だって,そういうやり取りの中で学ぶことがいっぱいあって,一度批判の刃をむけてしまうと,若い方達から学べる機会も失ってしまいそうじゃ無いですか?
なんかオトナって大変。損ばっかり,と思いつつ,やっぱり若い方々の刺激的な動きには中毒性があって,目が離せません(笑)。頑張って,いいオトナにならなきゃ,ですね。