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カナダ生活ガイド Vol 1 - カナダが選ばれる理由と書類の準備


日本人永住者がカナダを選ぶ理由

外務省の海外在留邦人数調査統計によると、2022年10月1日現在の推計で、日本から海外に生活の拠点を移した永住者の累計が過去最高の約55万7千人にのぼりました。
カナダは人気移住先ランキング3位で、2022年は50000人以上が永住権を取得しました。北米への永住者は全体の49%にのぼります。

出典:2023年1月27日 朝日新聞

日本人がカナダに住みたい理由

海外永住者のうち6割は女性。カナダの公共放送・CBCの記事「Gender inequality driving wave of female Japanese immigrants to Canada​​」はカナダに移住するアジア人の女性率を見ると、日本人が断トツの1位で76.49%にのぼることを指摘。​朝日新聞の連載「わたしが日本を出た理由」を引用して、「背景には少子高齢化が進む日本の経済の先行き不安、とりわけ女性差別がひどいことが、日本人女性の海外流出に繋がっている」「このように海外の優秀な女性が移民として来てくれるのはカナダにとって大きなメリットだ」と指摘しています。

出典:2023年3月8日 CBC News

たしかに、ブリティッシュコロンビア(BC)州が、賃金の公開義務化の法案を提出するなど、カナダはジェンダー平等に力を入れています。最低賃金はたびたび見直されており、物価水準は日本より高くても給料も高く、「性別を問わない働きやすさ」がカナダの魅力のひとつと言えるでしょう。

世界平和度指数で​​、カナダは日本より上位に

カナダは地球上で2番目に大きな国で、面積は1,000万平方キロメートルです。カナダの東海岸から西海岸までカナダを横断したら約7000㎞、飛行機でも5時間かかります。カナダは日本の約27倍の広大な国土を有していますが、人口はなんと日本の約1/3程度です。

それだけ大きな国なので、州によって法律や教育制度が違うことがあり、気候も異なります。「カナダとは」を一つの視点ではまとめられませんが、国全体として世界平和度指数(2022 Positive Peace Index Rankings)で最も安全な国のひとつに選ばれ、失業率が低く、移住の選択肢も多いことからカナダは移住したい国の一つに選ばれてきました。(そのカナダの人達が選んだ移住したい国ランキングナンバー1は日本なのだそうです)。

移民1世が2割を超える移民大国カナダ

カナダは移民大国と言われますが、カナダへの移民は建国以来、継続的に行われてきました。外国生まれのカナダ人の割合は、2016年では約22%(750万人)へと増加しています。カナダ国内での移住先はオンタリオ州が最も多く、次いでブリティッシュ・コロンビア州、そしてアルバータ州です。
オンタリオ州にはカナダの首都オタワがあって、カナダの主要な行政、金融、経済の中心地でもっとも人口の多い都市です。また、オンタリオ州のトロントはカナダ最大の都市で、国際的に重要な金融、文化、ビジネスの中心地でもあることからオンタリオへの移住者が多いのは容易の想像できます。コロナ以降、リモートによる仕事のスタイルが増えてきて仕事はそのままで、忙しい都会から離れ、地方に移住する人も増えてきました。

ブリティッシュコロンビア州にある、バンクーバー、ビクトリアも移住先に人気がありますが、特にアジアからの移住者が多いのが特徴です。バンクーバーは第2言語が中国語ではないかと思うくらい中国語表記が目にとまります。外国人移住者、特に日本人にとって、母国への一時帰国は避けられないイベントのため、比較的日本から近い西海岸に移住することは理にかなっているのでしょう。ノバスコシア州から日本に帰国しようと思ったら1日かかりますから。
アルバータ州は、ロッキー山脈など世界的に有名な景勝地があり、冬でもスキーなどのアクティビティのため世界中から観光客が訪れます。また、石油による収益が大きいため、カナダの財貨サービス税(GST)が導入される以前は、商店での買い物に税金がかかりませんでした。アルバータ州はカナダの中でも最も保守派が多い地域として知られていますが、カナダ1好調な経済発展や失業率の低さから国内他州からの労働者の流入、さらに、世界各国からの移民・難民の受け入れ等も急増したことで、保守一辺倒の土地にも変化が見られました。

移住にあたり気をつけたいこと

このように、カナダは10州と3準州の各州で特徴があり、大都市と自然、多文化が共存する国です。カナダのどこに住みたいのかを決めるときに、その場所の特徴を知ることはとても大事なことです。それぞれに文化があり、気候やサービスが違います。
特定の仕事のスキルを持っているのならば、それを最大限に活かせる場所に住みたいですよね。
地域によって、アジア人の多い地域、フランス語を話す人の多い地域、日本のコミュニティーが全くない地域などがあります。子供をどんな学校に通わせたいかを考えるときの目安になるでしょう。

移住者のための連邦、州、準州政府のウェブサイト

Alberta
www.albertacanada.com/immigration
British Columbia
www.welcomebc.ca
Manitoba
www.immigratemanitoba.com
New Brunswick
www.welcomenb.ca
Newfoundland and Labrador
www.nlimmigration.ca
Northwest Territories
www.gov.nt.ca
Nova Scotia
www.novascotiaimmigration.com
Nunavut
www.gov.nu.ca
Ontario
www.ontarioimmigration.ca
Prince Edward Island
www.gov.pe.ca/immigration
Quebec
www.immigration-quebec.gouv.qc.ca
Saskatchewan
https://www.saskatchewan.ca/government
Yukon
https://yukon.ca/en/immigration

カナダで生活を始めるのはとてもワクワクすることですが、同時に大きな挑戦でもあります。カナダに来る前、そして来て最初の数週間で何をすべきか、どんなことを知っておいた方がよいかをご案内します。

カナダに来る前にまとめておきたい書類

必要な書類は個人差がありますが、取得しておくと便利な書類をまとめました。

• パスポート

必ず有効期限を確認しておきましょう。カナダはカナダ滞在日数+1日以上のパスポートの残存期間が必要です。日本人はeTAで入国でき、半年間ビジターとして滞在できるので、パスポートの有効期限が半年未満の場合は、更新することをお勧めします。

• 滞在許可証

PR(カナダ永住権=Permanent Residentの略称)カード、就労許可証、就学許可証など滞在に必要なビザ。YuPass Canadaでご準備可能です。

• 入学許可証

留学や子供の学校の入学に必要な許可証やレター。

• 卒業証明書など資格証明書

仕事を探したり、学校へ行く場合に必要となることがあり、英語で取得しておくとよいでしょう。仕事探しのノウハウは別途ご案内いたします。

• 身体検査、歯科検診の履歴

カナダの医療制度については別途ご案内いたしますが、病歴、手術歴、アレルギーなどまとめておくと、診療、入院時の問診で役に立ちます。

• 海外保険証明書

健康保険に関しては別途ご案内いたしますが、語学学校に入学する際に海外保険に加入していないと入学できない学校があります。また、カナダ政府が供給する健康保険に加入できるのは住み始めてから3か月後あるいはそれより長い期間になるので、それまでは仮の健康保険やクレジットカード付帯の保険の契約は入っておく方がよいでしょう。

• 戸籍謄本

出生証明書、結婚証明書、離婚証明書などの代わり。必要に応じてカナダでの大使館・領事館でも作成可能ですが、短期滞在許可証からPRの取得を考えている方は、結婚、出産などで内容が変わらなければ、戸籍謄本に期限はないので取っておくとよいです。

• 運転免許証

カナダで車を運転する可能性がある場合は国際免許証を取得しておくことをおすすめします。国際免許証は発行日より1年間有効です。 (オンタリオ州の免許制度について記述を追加)
カナダでカナダの運転免許証に書き換えることも可能ですが、その場合には日本の運転免許証が必要となります。

• 運転履歴証明書(カナダの運転免許を取得する場合に必要)

カナダの運転免許証の取得方法は別途ご案内いたします。