見出し画像

マンション売却の前に知っておくべきこと


この記事では、住居用マンション(投資用ではない)で初めて「マンションを売ろう」と考えている人が、最低限知っておいてほしい内容をまとめました。

中古マンションの需要はあるのか

2021年12月と2020年12月で比較した場合、中古マンションの成約件数と新規登録件数は増えています。また、売り物件の在庫件数は減少傾向にあり、コロナが収束というかwithコロナ生活に慣れてきたせいもあるでしょうけど中古マンションの需要はあるようです。その意味で、売り手側にとっては悪くない条件で売れる期待が持てます。

マンション売却の流れ

一般的な流れを紹介します。
まずマンションを売りたい人(売主)が不動産会社(元付業者)に相談し、媒介契約を行います。次に不動産会社は売主様の物件を不動産業者だけが閲覧できる不動産データベースにその物件を登録します。
全国各地の不動産業者(客付業者)はそのデータベースをみて購入希望者(買主)を探します。
「内見したい」という買主様が客付業者に相談すると、客付業者が元付業者に問合せをして売主様と買主様を繋ぎ合わせます。
無事取引が成立した場合、売主は元付業者に仲介料を支払い、買主は客付業者に仲介料を払いします。
これが一般的な流れであり、仲介業者2社が片手ずつ引っ張ってきて繋げたので片手仲介(共同仲介)と呼びます。

片手仲介に対して両手仲介もある

もう一つの仲介の仕方として、元付業者がsuumoなどのポータルサイトなどで売り込みをし、元付業者が自分で買主も探してきた場合、これは両手仲介と呼び、元付業者は売主からも買主からも仲介料を頂けます。

不動産会社に売るという「買取」もある

買主を探して買ってもらうというのが一般的な流れですが、もう一つの売り先として不動産会社に売る(買い取ってもらう)という選択肢があります。
不動産会社に売るメリットとしては下記があります。

  • 早く売れる

  • 室内は現状のままで良い場合が多い

  • 売却情報が一般公開されない

急いでいる場合には良いかもしれませんが、基本的には買主を探して売るよりも安い価格設定となってしまうので、高く売りたいのであれば買主に売る方が得策です。ですので買主に売るメリットとしては逆に以下が挙げられます

  • 売れるまでに時間が掛かるが「買取」よりも高値で売れる

買主に内覧してもらったり売却時に室内は綺麗に(必要があればクリーニング)する必要がありますが市場価格で売ることができます。時間に余裕があるのであれば基本的にはこちらを選択するべきだと思います。もとの物件価格にもよりますが市場価格と買取では数百万、下手すれば一千万円以上の差が出るようです。

査定は必ず複数社に取ろう

ここまで売却の流れと誰に対して売るのかを見てきましたが、ここでは査定を不動産会社に依頼するときの注意点です。
必ず複数社に査定をお願いし、ちゃんと自分の物件の市場価格を見極めるのがポイントです。
なぜかと言うと下記のようなケースで必ずしも不動産会社が良い提案をしてきてくれるとは限らないからです。不動産会社もなるべく多く利益を上げたいわけです。

「できるだけ安く売却させて両手仲介料をもらいたい」と考える悪徳業者もいる

相場よりも安い価格で売主から売ってもらえれば、不動産は買主に対して相場よりも安いわけですから非常に売りやすくなります。
そうすると不動産としては早く売りさばけるし両手仲介料をもらえるしでウハウハです。
ですが、売主にとっては損をさせられてるに過ぎないので、複数社に査定を依頼して自分の物件の相場をしっかりと把握できるようにしましょう。

「相場より高い査定額を出してから後で引き下げよう」と考える悪徳業者もいる

次のケースは逆に高い価格で査定を出してくるケースです。
業者にとってどこにうまみがあるのかというと、「専任媒介契約」で「契約した後に徐々に価格を下げて相場くらいにして、確実に片手分は仲介料をもらうぞ」という魂胆です。
この場合、契約の種類に注意しましょう。
契約には「一般媒介契約」と「(専属)専任媒介契約」という大きく2種類あります。
簡単に説明すると専任契約をしてしまうと、売主は同時に他の不動産業者に売却を依頼することが出来なくなります。
一般契約にしておけば、売主は複数の不動産会社に売却を依頼することができます。
信頼しているお得意やお気に入りの不動産会社があれば専任でも良いですがそうでなければ一般を選ぶのが一般的なようです。

自分のマンションの相場の調べ方

では一体どうしたら自分のマンションの相場観が分かるのか。
これは非常に簡単です。
まずは自分のマンションで既に売り出しして成約した事例がないかを検索すること、同じマンションに事例がなければ近隣でかつ築年数や階数や広さなど条件が似たような物件を探すことである程度の、相場というものは見えてきます。

売却時にかかる費用

さいごに売却時に掛かる費用を見ておきましょう

  • 不動産売買契約書の印紙代

  • 仲介手数料

  • 登記費用(抵当権抹消など)

  • 譲渡所得にかかる税金

  • 住宅ローン返済

印紙代と登記費用は手続き費用なので数万円レベルです。
高いのは仲介手数料、物件の値段にもよりますが100万円以上かかります。
これを踏まえて売却値段を決める必要がありますね。
譲渡所得にかかる税金ですが、もしもローン残債よりも高い値段で売れた場合、売却による所得が発生したことになりますが、自分の住居用不動産の場合は3000万円までの譲渡所得は非課税となるため税金は払わずに済むようでうです。
そして、住宅ローンは残債があれば必ず全て返さねばなりません。
具体的に例をあげると、購入価格2500万のマンションを3000万円で売却、住宅ローン残債は2000万円、仲介手数料が100万円とすると
譲渡所得=3000万円-2000万-100万-印紙代-登記費
    =約900万

という計算になります。そしてこの譲渡所得900万円は非課税扱いで済む。
実際にはこの後に引越しをする必要があったりするため、少なくとも100万円くらいは利益が出るような値段で売れないと家計的には赤字になってしまいますね。

まとめ

  • 中古マンションのニーズはある。

  • マンション売却には買主に売るパターンと不動産会社に売るパターンがある

  • 急いでない限りは買主に売る方が相場の値段で売れるためお得

  • 騙されないためにも査定額は複数社からとること

  • 査定額が高い場合には、「専任媒介契約」でないかもチェック

  • 自分のマンションの相場観は条件の似たマンションを検索して調べよう

  • 売却値段は仲介料や諸経費、その後の引越し代とかも考慮して決めないと損をしてしまう

以上です

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?