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ケムリクサは培養増殖が基本である説


ケムリクサ第七話で僕が気になっていたことがありまして、これについて仮説を思いついたのでここにまとめます。気になったのは物語中盤、ケムリクサが地面から勝手に生えているシーンです。

Screenshot_2021-01-07 ケムリクサ Episode 7 アニメ 無料動画GYAO 7

ずいぶんたくさん生えてますね。壁の外では、発光するとアカムシに食べられる?のであまり残っていないようですが、巨大ミドリ内ではまるで自生しているかのようです。気になったのは、

ケムリクサって生殖するのか?
葉だけ生えてるの?

の二点。本稿では、生殖するのか問題についての仮説1です。仮説2は稿を改めまして投稿いたします。

その仮説とは、

ケムリクサは、雑種や変異や進化しないために生殖制限されており、花をつけたり種子を作れないように育てられている

というものです。

有性生殖はケムリクサには不向き

有性生殖とは、花のように花粉が卵細胞に受精したり、シダ植物の胞子が接合で増えるような生殖方法です。有性生殖では、その子孫に性質の変化が起こります。ケムリクサはそれぞれ特定の機能を期待される、一種の有機部品のような扱いであり、その性質が変わることは危険を伴います。そのため、ケムリクサには雑種や突然変異や進化は許されないと考えられます。

Screenshot_2021-01-07 ケムリクサ Episode 11 アニメ 無料動画GYAO 8

ケムリクサと同様に、特定の性質を持っていることが大切な産業植物や園芸植物では有性生殖を避けます。例えば、ブルーベリーは雑種を作ると大抵品質が落ちるため、挿し木という無性生殖(栄養繁殖・栄養生殖)をします。

ブルーベリー挿し木20210420_203625.jpg

同じく、ランなどは繁殖の速度が遅いこともあり、「メリクロン増殖」という一種のクローン技術を使って増やします。僕が育てているササユリもメリクロン苗が主流ですし、最近はちょっと高価な花の苗も、イチゴなどの多年生野菜もメリクロンを使って増やすことがあります。

これらは広義の「クローン」であり、突然変異しなければ、元株と全く同じ性質をもった個体を得られます。ケムリクサも、組織培養のような技術を使うのが基本であろうと思われます。

ケムリクサが有性生殖を行うとどうなるか

ケムリクサが有性生殖可能となると、かなり問題が発生します。例えば、アオばかりが大量発生したり、同じアオでも操作感が変異してしまったり。さらにはアオとキイロが雑種をつくったらどうなるか。それぞれの機能はどのように混ざるのでしょうか。もしくはバグってしまうでしょうか?最悪の場合、雑種が生まれるうちに「アカイロ」が生まれる可能性すらあります。

Screenshot_2021-01-07 ケムリクサ Episode 11 アニメ 無料動画GYAO 4 (2)

ケムリクサは人為的に操作しない限り勝手には増えないと思われる

やはり、ケムリクサは野生繁殖はしない・させないと考えるのが妥当です。というか、勝手に増えちゃダメだと思います。ワカバがミドリの種子を持っていましたが、あの「種子」も一般的な種子ではないかもしれません。

ミドリ種子

つまり、芽を出して成長はするけど、繁殖能力を欠くのです。これは農業分野では一般的で、「不稔性個体」と呼ばれます。なんらかの突然変異で、花粉を作れないなどの理由で子孫を作れないのです。それでも、親となる株をきちんと保護しておけば、「不稔性個体」の苗をつくることは可能です。つまり、繁殖を管理できる品種になるのです。

無性生殖で増やせる

さて、そうすると、葉だけのケムリクサの正体がなんとなく見えてきました。話中では、ミドリとキイロとアカイロとウスイロだけが茎または根のようなものを持っていました。

Screenshot_2021-01-06 ケムリクサ Episode 3 アニメ 無料動画GYAO 3

これらは、繁殖はできないものの、成長はできるようです。これらは、組織培養した種子を蒔いたものが残っていたか、もしくはアカイロとのイザコザで吹っ飛んできた個体が、挿し木のような形で芽生えたのではないかと推測できます。

りつ姉が大事にしていたミドリちゃんは明らかにワカバミドリの破片であろうと思われます。このミドリについては別稿「ミドリちゃんの希少性」でもう少し考察します。

Screenshot_2021-01-05 ケムリクサ Episode 1 アニメ 無料動画GYAO

これ以外の葉だけのケムリクサは何なのか、考えられる可能性は二つあります。
先の戦いでふっとんだ組織片から再生した
シロの仕事の中にケムリクサの増殖があり、時々植えつけていた名残

いずれにしても、これらはいわば挿し木のような無性生殖で増殖していると考えられます。

葉だけケムリクサについても別稿「ミドリちゃんの希少性」でもう少し考察します。

今回はここまで。

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