木村花さんに対する中傷は誰に責任があるか
木村花さんの裁判に進展がありましたが、思うところがあり、ここに意見をつらつらと書いておこうと思います。主に気になっているのは、
「木村花さんを本当に傷つけたのは誰か・何か」
です。所詮は他人の心理など推測しようがありません。ですが、今のところ、テレビでは「ネットの誹謗中傷が彼女を追い詰めた」の一点張りです。もちろん、ネット上での誹謗中傷が直接の引き金なのは間違いなさそうです。あの目を覆いたくなるような人格攻撃は確かに猛毒です。
でも、僕は彼女を本当に追い詰めた要因は、「脚本通りに演技しただけの彼女に言い訳すらさせなかった」テレビ局の担当者の対応だと思っています。彼女は明確な言い訳も謝罪もしていません。彼女のような真面目な人間にしては、この対応は大変奇妙に見えます。
彼女のツイートを引用させていただきます。
彼女は傷ついたとはっきり述べています。ですが、誹謗中傷リプは悲しいことによくあるものでもあります。有名人を妬んだり、自身の境遇に対する不満の矛先として叩きやすい人間を叩くのはそこいらじゅうにいます。
僕が不思議に思っているのは、彼女が一般的な対応をとらなかった点です。この手の問題には、以下の対応が有効だったはずなのにやっていないか、あるいは機能していません。
・ミュート、ブロックする
・アカウントに鍵をかける
・言い訳する
・謝罪する
謝罪するという対応は変に思われるかもしれませんが、彼女が「番組内で(脚本どおりに)行った対応を不愉快に思う人がいる」点を忘れてはいけません。もしも彼女があのシーンで不必要に人を傷つけてしまったと感じているなら、謝罪するというのも有効だったと思います。しかし謝罪はしていない一方で、彼女は明確な言い訳もしていません。
真面目な人間がこれをどちらも明確に行わないのは変です。僕もどちらかというと(自分で言うのもなんですが)真面目な方なので、間違ったことをしたと思ったら、謝罪して訂正するのが普段の対応です。
真面目人間を代表するようなおこがましいことを言いますが、むしろ、悪いことをしたのに謝れないのはこの上ない苦痛です。相手を苦しめ続ける悪党であり続けるというのは、良心もプライドも大変に傷つきます。まだ罵られたほうが100倍マシです。実際に、自分が悪いのなら相手が罵ることもある程度受け入れますし、相手を傷つけ続けるよりは良心が咎めないんです。
僕は、彼女が本当にきつかったのは、
・相手や視聴者を傷つけ不愉快な思いをさせたことは事実
・でも、それは脚本なので本意ではない
・でも、契約上、脚本のことを勝手にばらせない
・勝手に謝る事もできない
といういわば冤罪状態で、契約に縛られた上、テレビ局からもかばってもらえなかったことじゃないかと思っています。もしもテレビ局から「ごめんなさい、あれはヤラセの演出で、彼女の本心じゃないんです。これ以上彼女を誹謗中傷しないでください」の声明があれば、一気に沈静化したはずなんです。
今、裁判が一旦終わろうとしています。2人に科料9000円しか課されないという点がクローズアップされていますが、問題点はそこじゃないのではないかと思います。脚本の演出が本物であるように装った、いわば嘘をついていたのであれば、そちらも追求すべきです。その嘘によって事実がねじれ、本来は叩かれるべきでない彼女が、ネット上で無防備になったことが致命傷になった可能性もあるのです。
真実の追究を望みます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?