海外との住所記載方法の違い
海外と物品や書類をやり取りする際、面倒なのが自社住所、取引先住所の記載方法です。
海外とのやり取りはたいてい英語で、その場合は住所表記も海外に倣います。
経験ある方はもうお分かりと思いますが、海外の住所は日本と逆志向です。つまり、「おおまか→詳細」に表記するのではなく、「詳細→おおまか」に表記するんですよ。例を挙げると、
日本、京都府京都市南区上鳥羽鉾立町11-1
は
日本、鳥羽鉾立町11-1、京都市南区上、京都府
みたいな感じです。
これって、「個を重んじる海外の傾向」って説明があるけど、僕は他の要因もあると考えてます。それは貴族社会からの流れ。古来、手紙のやり取りなど農民ができるものではないはずです。そもそも識字率が低いですし、現在のように簡便な郵便網があるわけじゃないから費用も高額になりがち。
貴族や王族同士でのやりとりになると、住所表記だって彼らのスタンスを反映するでしょう。つまり、イギリス王チャールズだったら当然、そのあて先は「チャールズ」その人。住所なんか不要。地方貴族や男爵などであってもやっぱりその傾向は変わらないと思います。バロン男爵であれば、「バロン男爵だよ!モスティンに住んでるよ!念のため書いとくと、僕の領地はフリントシャー州、ウェールズだよ。」(適当)
てな感じで、「当然知ってるよな」的スタンスが、ある意味で自負の表れではなかったかと思います。
この、「俺様の周りに世界がある」というスタンスがそのまま引き継がれているといえるのではないでしょうか。だから、細かい地名から大雑把な地名になっていく。
でも、いい加減変えて欲しいのが本音です。この表記は実に不便で、特に「市と町村はまとめてひっくりかえすのか、別々にひっくり返すのか?」といった、「どの単位でひっくり返すか問題」でどうしても表記ゆれが出るますし、「でも建物名と部屋番号は普通はひっくり返さない」というダブルスタンダードがじつにあほらしいんです。
大雑把から細かくしていくのが分類の基本です。住所表記だってそのほうがやりやすいでしょう。ちなみに、何処とは言わないけど、大手のコンピュータ系企業は、問い合わせフォームの住所の入力欄を「大雑把→詳細」にしています。だってそのほうが合理的だもんね。