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優しい君と甘い僕_LAST

朝起きると、昨日の疲れが嘘のように体が軽く。
朝だと言うのに頭が冴えていた。
昨日は帰ってきてからも大変だった。
結局またケーキを作り直し、納得がいく仕上がりになるまで続け、結局日を越していた。

時間をふと確認。

8:35

ベッドから起き上がり、朝食を済ませようとリビングへ向かった。

由:おはよ。
今日も早いんだね。

〇:由依姉…おはよ。
うん。今日が本番だからね…

由:優ちゃんの誕生日だもんね。
ちゃんとしなさいよ。

〇:わかってるよ。
今日は、今日こそはちゃんと伝える。

由:ほんとあんたってバカだよね。
何十年も一緒にいて、学校もほぼ毎日一緒に通って。
それなのに幼馴染って言う線引きをして、諦めてる。

〇:だってs

由:だってじゃないよ。
この先も言えるタイミングあるなとか思ってるんでしょ?
そりゃああるかもしれないよ?でもなくなる可能性もあるんだからね。
優ちゃんが誰かと付き合えば…とか。

〇:…うん。
だからこそ今日言うんだよ。

由:頑張りなよ。
あと優ちゃん泣かせたら許さないからね。

軽く睨みながら由依姉は脅しをかけてくる。

〇:わ、わかってるよ。

そして朝食を済ませ、準備をした。
時計を見ると

9:45

そろそろ出ないとな…

〇:んじゃいってきます。

母:一応18時までお店は空いてるから。
なるべく遅くならないようにね。
遅くなるなら連絡ちょうだいよ!

〇:わかった。
それじゃ。

ガチャ

玄関の扉を開けると、外はギラギラと太陽が照りつけていたが、優しい風が吹いていたためかいつもよりは涼しかった。

〇:よしっ…

公園へと歩き出し、今日のプランを頭の中で確認していた。

そしてあっという間に公園につき、辺りを見回すとベンチに座っている君の姿を見つけた。
後ろにはひまわりの花が太陽に向かって背伸びをしていた。

まるで君も…

〇:優…おはよ。

優:うんっ!おはよ〜!

いつも聞きなれた君の元気でそれでいて柔らかい声。
今日は一段と君がキラキラしているように見える。

〇:んじゃ、行こっか。

優:うんっ!どこ行くの〜?

〇:うーん…内緒。
でもそんな遠いところじゃないよ。

優:うん〜?

君は不思議そうな顔をして僕に着いてくる。

そして最初の目的地。

そこは…

優:うわぁ〜懐かしい!!
小さい頃ここですごい遊んだね!

そう俺と優が小さい頃に遊んだ河川敷だ。
そして中学の頃にも、部活の事で悩んでいた俺がこの河川敷で黄昏てた時に、優が隣に座り励ましてくれた思い出の場所。
君は忘れてるかもしれないけれど。

優:あ!もしかして、思い出の場所回るの〜?

〇:まぁそうかな笑
だって今日は特別な日だからね。

優:…!?
もしかして…そのために今日も…?

〇:うん、そう。

そうすると君は川の近くまで小走りで向かっていき、川を眺めながらしゃがみ始めた。
そのとき君の頬に涙が流れていたが気づかないフリをしていた。

優:今日来てよかった…ボソッ
先輩から誘われた時断らないとって思ったんだけど。
でも勢いが凄すぎて…
そしたら〇〇が昨日真剣にっ会おうって言うから。
本当の本当に良かった!

〇:俺も今日ちゃんと誘えてよかった。
断られたらどうしようかなって思ってた。笑

優:ううん!〇〇に誘われたらぜっったい行くよ〜!

君は満面の笑みを僕に向けてそう言った。
その笑顔に僕はまた君に恋をする。

〇:…///
あ、ありがと。
それじゃ次に行こっか。

そして君との思い出の場所を順番に巡り、あの頃はああだった、今はこうなってるんだなどと話し、気づいたら周りは薄暗くなっていた。

〇:ここが最後。

優:ここって…
〇〇のお父さんとお母さんのケーキ屋さんじゃ?

そう、ここは俺にとって特別なところだ。
小さい頃から今までも、君がケーキを口いっぱいに頬張り、美味しそうに食べていた。
そして初めて俺が作ったケーキも、美味しそうにここのテラス席で食べてくれた。

〇:うん、少し待ってて。

優:うん?

そうしてお店の中に入り、厨房の冷蔵庫から昨日想いを込めて作ったケーキを持ち出し、外で待っている君に渡す。

〇:はい、どうぞ。

そしてケーキと一緒に君に似合うと思って買ったネックレスを渡した。

優:え?これは…?

〇:優。誕生日おめでとう。
いつもは小さいケーキしか作ってなかったけど、今回は大きめでそして優に似合うようなケーキを作ったんだ。
あとそれは優に似合うかなと思って買ったネックレス。

優:え〜!?ありがとう。

すると君は目に涙を浮かべ喜んでいた。

〇:え?ど、どうしたの?

優:…嬉しくて…

君のそんな顔は初めて見るな…
そこまで喜んでくれるなんて。
さて、言わないと…

〇:ふぅ…
あと…さ

優:…うん?

〇:俺さ、ずっと優への気持ちにフタをしてた。
幼馴染だから。この関係が壊れたら嫌だからって。
でも優が□□先輩と出かけるって聞いた時に、心に針でも刺されたんじゃないかって言うくらいチクっとして。
その時にやっと気づいた。
俺優にずっと甘えてた。優はなんも言わずに隣にいてくれるんだろうなって。でも俺優のこと好きなんだって。ずっと前から好きだって。
だから…その。

『俺と付き合ってくれませんか?』

君はケーキとプレゼントをお店のテラス席のテーブルに置いて少し俯いていた。
そして少しして君は顔を上げ…

優:私も〇〇のことがずっと好きでした。
こんな私で良ければ…お願いします!

そういい君は涙を流しながら胸に飛び込んできた。

優:遅いよぉ〜!!
このまま〇〇が私の気持ちに気づいてくれなかったらどうしようって!
しーには早く伝えなさいって怒られるし〜!

〇:ごめんね、遅くなっちゃって。
これからはずっと隣にいるから。

優:…うん!
約束…だよ?

そうして君が泣き止むまで抱き続けていて、君の手を握り家まで送った。

帰りは終始無言だったが、君の家の前で立ち止まりまた君を抱き寄せる。

細く華奢なその体は、俺にとっては何故か心地よくて君の笑顔を見るとこっちも元気になって。
君と付き合えて良かったと、本当に思う。

優:これからもよろしくね。
〇〇〜!好きだよ〜!

君は頬を赤くしながらキラキラと光るその笑顔で僕に伝えてくれた。

〇:…っ!
俺も…好きだよ!

優:うんっ!
それじゃバイバイ!

〇:うんバイバイ。
またね。

そうして君は俺が住宅街の角を曲がるまで手を振り続けてくれていた。

その後こっそり見ていた母と姉から散々言われた。
『ずっと待たせるとか最低!』とか『優ちゃん泣かせたでしょ?』とか。
え?でも嬉し泣きじゃ…なんて。

この日の夜、優から『ケーキ綺麗で食べるのもったいなかったけど美味しかったよ〜!』と連絡が来ていた。
そして寝る前に君と通話をし、いつの間にか寝ていた。
君の声を聞くと、とても落ち着く。
元気でそれでいて柔らかくて優しく包み込んでくれるような声が。

それから数年が経ち、君は俺の隣で一緒にケーキを作っていた。お客さんの笑顔を見ながら僕たちも自然と笑顔に『作ったかいがあったね』なんて。
そして今日は特別な日。
君の誕生日…そして俺たち2人が付き合った日。
今日もまた君にケーキを作る。
そう思い出のケーキ屋さんで…

『誕生日おめでとう。これからもずーっと君を幸せにするし、君の頑張る姿を横で応援してます。』




fin.



と言うことで村井優ちゃん誕生日おめでとうございます。!
これからも推しメンとして応援してます!



初めて書いてみました。
ちゃんとかけてるか不安ですが、読んでいただけると幸いです。
それではまた。

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