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優しい君と甘い僕_3

あれから数日が経った。

静かな場所にいると変なことを考えそうで
それが嫌だから姉と久しぶりに出かけていた。

由:あんたさ、ケーキ作る練習しなくてももうちゃんと作れるでしょ?

〇:作れるわけないじゃん。
別に趣味って言うわけじゃないけど、そういう感覚で作ってるんだから…

由:ふぅん、あんたがそれならそれでいいんだけど。
もっと胸張っていいと思うだけどなぁ〜?
ちゃんと優ちゃんの気持ちも考えてあげなよ〜

〇:わ、分かってるよ!そんなことぐらい…

そういいながら家の店の前まで行き、店の中に入りまたケーキ作りを始めた。

父:ん。だいぶ良くなってきた。
あとは形が崩れないように装飾をして上げれば大丈夫だ。

〇:…!ありがと。

そうして君が好きな色である、紫色と青色をを合わせた夜空のような綺麗なチーズケーキを作った。

〇:なんか最初この色を合わせるってなった時に、変にならないか心配だったけど…

父:色合いは関係ない。
大事なのはどれだけ気持ちが籠ってるか…だ。
あとはそうだな…その色を合わせた時にどんな景色がイメージできるか…だな。

〇:なるほど…
ケーキ作りって深いね…

父:あぁ。
だが、いちばんはお客さんが美味しいと言いながら笑顔で食べてくれることだな。

〇:!!
そう…だね。

そのことを聞いた瞬間に君が美味しそうにケーキを頬張っている姿が思い浮かんだ。

〇:喜んでくれるかな…

優と出かける当日。

いつもより早く目を覚まし、準備をする。

〇:ふぅ、こんな感じか…
久しぶりに髪とかセットしたな…
大丈夫かな?

リビングで少し時間を潰してると…

由:ん、おはよ。
なんだ、かっこいいじゃん。

〇:え?変じゃない?

由:ん。大丈夫だよ。
それで?今日はどこにデート?

〇:デートって…!
まぁいいか。
とりあえず優が行きたがってたテーマパーク行って、お昼食べて…かな?

由:ふぅん。
ちゃんとエスコートしなよ。

〇:そんなんわかってるよ!
あ、そろそろ出ないと!
行ってきます!

由:気をつけなね。
行ってらっしゃい。

最寄駅から乗り変えの駅まで向かい、集合場所へ…

〇:あそこの駅で待ち合わせじゃないんだ…
えーっと…あそこか。

待ち合わせ場所に着いたが、そこにはまだ優の姿はなく、きっと他のカップルだろうと思われる待ってる人達がチラホラ。

〇:俺らも傍から見ればカップルって思われんのかな…。
ま、今日は楽しませないとな。

少しして

優:ごめ〜ん!
ちょっと準備で遅れちゃった〜!

眉を八の字にしながら、その大きな目をウルウルさせて顔を覗かせてきた。
そんなことよりも、君のその服装が、髪型がすごい似合っててちょっと停止してしまった。

〇:!!

優:?
怒ってる〜?

〇:い、いや!全然!
そんな待ってないから大丈夫!
行こっか…

優:うん!
行こ〜!

君のその眩しい笑顔にドキッとしたことは心の中に閉まっておこう。

そうして駅に向かい電車に乗り目的地のテーマパークへ。

優:うわぁ〜!すごい!
見てみて〜!あのお人形さんかわいい〜!

〇:ほんとだ!
あれ優に似合いそう笑

優:あ〜!バカにしてるでしょ〜!

〇:してないよ!笑

優:ホント〜?

きゃァァァァ!!

優:あぁ!あのアトラクション楽しそう〜!
行かない?

〇:え…ジェットコースターじゃん…?

優:ダメ…?

また君はその大きくて綺麗な瞳をウルウルさせて俺を見てくる。
その目で見られちゃったら断れないって…

〇:わかったよ…

優:やった〜!

君は喜び僕の右手を掴みそのまま、ジェットコースター乗り場まで走っていった。
そして…

〇:うわぁぁぁぁぁぁ!!!

優:た〜のし〜!!

無事に走り終わり、ちょっとしたベンチで休憩していた。

〇:も、もう無理…

優:あははは〜!
楽しかった〜!
あれものりた〜い!

〇:嘘でしょ…

それからも優に付き合いアトラクションを乗り、お昼を食べ、午後は水族館に行き午後もおもいきり楽しんだ。

そして帰りの電車で。

優:楽しかったね〜
今日は本当にありがと〜!

〇:んーん。大丈夫だよ。
俺も楽しかったし。
久々に優と出かけた気がする…

優:確かに〜!
多分最後に2人で出かけたのは中学卒業の時だよね?

〇:そうそう笑
あの時初めて水族館行こうとして迷いながらも行ったよね笑

優:懐かしい〜!
ねぇ〜!また行こうね〜!

そう君は笑顔で言い、僕はその笑顔に見蕩れていた。
ちゃんと言わないと。
これから先も言える可能性がある訳じゃない…

〇:優…あのさ。

優:ん〜?どうしたの?

〇:明日どうしても…予定守んないと行けない?
その…□□先輩との約束…。

優は大きな瞳をもっと大きく開き、なんで知ってるの?と言わんばかりの表情をしていた。
でも一緒に出かけることにOKをしたということはそういうことなんだろう。
でも、どうしても明日渡したい、伝えたい。
今日ではなく明日に…

優:…

〇:実は瞳月に聞いちゃったんだよ。
□□先輩と出かけるらしいって。

優:うん…

〇:無理だって、無責任なこと言ってるのは分かってるんだ。
だけど明日また君に…優に…会いたい。
会って話したいことがあるんだ。

少し沈黙が続いた。
そして優はスマホを取りだし、誰かに文字を打ち始め、メッセージでやり取りをしていた。
そしてまた沈黙が5分ほど続いたその時。

優:〇〇…明日いいよ。
先輩との約束断ったから…!

〇:え?でも。

優:だって、〇〇にそんな真剣な顔で言われたら。
断れないよ〜…

あぁ、君はいつもそうだ。
無理なことを言ってるのに、それを優先してくれる。
昔から知ってる君の優しいところ。
そしてその優しさに僕が甘えていたこと。

〇:ありがと…

そして最寄り駅に到着し、お互い無言のまま優の家の前に着いた。

優:それじゃ…またあしたね〜!
あ!場所は?

〇:うーん、そこの公園に待ち合わせよ?
時間は10時くらいでいい?

優:うん!それじゃあしたね〜!

〇:うん。またあしたね。
バイバイ

そして君が玄関に入っていく所まで、外で見送り俺も家に向かい歩き始めた。

〇:ちゃんと渡さないと。
ちゃんと伝えないと。
行く場所も考えとこ。

そうして気づいたらお店の厨房に行き、ケーキを作り直していた。
君に喜んで貰いたくて。


To Be Continued…

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