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生き別れの兄を探し出せた! 1
ひとに歴史あり。当然、自分の両親にも人生の歴史あり。今回は生き別れの兄を探し出せた話である。
Wさんは、60代半ばの飲食店経営の女性。なかなか波乱万丈な人生ですが、彼女の母親もこれまた波乱万丈の人生だった。9年前に84歳で亡くなった母親だが、死ぬ間際に長女のWさんに、「お前には生き別れの実の兄がいる。お前のお父さんと結婚する6年前に身ごもり、相手が既婚者だと知らされた時にはもうどうにもできず、産むしかなかった。若かった私は子どもを育てる経済力がなく、相手の家に押しかけてこどもを置いてきた。その後どう育ったのか?ずっと気になり、探し続けてきたが、未だ会えなくて悔やんでいる。」と言い残して他界した。
Wさんは、それが母親の遺言だと思い、ずっと心の中で「お母さんが会えなかった兄にいつか会ってみたい!それが亡くなったお母さんへの親孝行だと思っていたが、探す方法がなかなか見つからなかった。」と悩んでいた。
そんな時、Wさんと私は出会った。そして、その話を聞いた私は、まず母親の除籍謄本を取ることをサポートし、生き別れの兄の名前と本籍がわかった。が、母親の戸籍に載っている本籍なので、最初の本籍転籍先までしかわからない。
まして、除籍謄本は、直系しか取得することはできないので、兄の戸籍を追うことは難しいとお伝えした。
しかし、奇跡は起こった。役所に行って事情を話したWさんに、幸運の女神が舞い降りた。その後、紆余曲折はあったものの、Wさんは実兄の住所を探しあてて、自分の連絡先も含めた手紙を送った。
2週間後、今まで会ったことのない実兄から突然連絡があり、なんと二人の兄妹は3カ月後、兄の住んでいる遠くの県で出会うことになったと言う報告が、Wさんから来たのだ。・・・つづく