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活動(音楽)#003【隠–ONU】

「吉備津神社、御釜殿で行われる鳴釜神事では、鬼の声が聴けるらしい。吉兆を占う温羅(うら)のうめき声から影響受け作られた、ボイスと1ホーンのためのコンポジション」

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第一回目のフライヤー 隠を穏に間違える

隠-おぬ
由中小唄 升本しのぶ 山内詩子 谷向柚美 東かおる 仲曽根有里 沼尾翔子(voice)
+ 當村邦明(sax)

2011年、私の活動が活発になり始めた頃に、ボーカリストだけの合唱でない【何か】をやりたい!と思い立ったのがこの【隠-おぬ】の始まりです。その【何か】に気づくのに、10年近い歳月を過ごすことになるのですが、、

転機は2014年、清野拓巳さんに誘われてPaed Conca(clarinet) 率いるPORTA CHIUSA(ポルタ・キウーザ)のコンポジションに参加したときでした。主に微分音で構成され、歌詞も全く違う国々の言葉を基にして作られたクラリネット3管と声のみの世界。非常に難解な曲なので半年以上前から譜面が送られ、初日はクレジットされず(私が歌えないかもしれないので)緊張感のあるリハーサルを終えたあと「今日から参加ね、よく練習してくれたね~」と言ってもらえた時は、オーデションを合格したような安堵感で、そのお店(前TAKE FIVEさん)のおでんを食べまくりました。モジュレーションや倍音などは即興演奏で取り入れていたのですが、それを譜面にして、現代音楽でもなく即興性に特化した楽曲に出会ったのは初めてで、しかも聴衆ではなく演者側として!!

この経験は私の人生にとって大きな宝物となりました。この機会を与えてくださった清野さんにも本当に感謝しています。

4日間の演奏を終え、胸がいっぱいの中、パドさんに「私もこんな曲作りたい」と伝えると「僕3年かかったよ~」といわれ、パドさんは冗談なのか本気なのかわからない冗談をおっしゃるので「えーそうなの」なんて軽く受け流していいたのですが、今思えば本当だったんだろうな、と。

その後、2016年に長女を出産し、時間に追われる日々の中、微分音の曲を描こうという決意も遠い昔の思い出に変わりつつありました。その当時の私は起きているときは家事育児以外何にもできず、テレビと言ったら子供用のEテレしか見ず、頼みのCDコンポは娘に壊され、もう芸事の世界には一切興味すら持てない日々を過ごしていました。そんな私を見かねた夫である有本羅人が「NHKみるなら【日本風土記】とかみたら」なんて今思えば嫌味ちゃうのん発言を受けて、当時の私が素直に録画したのが再放送の【鬼】の回です。1年以上もの間、外気に触れるという事をしていなかった私は、人間が扮する鬼の魅力、鬼になるための努力に涙し、人知を超えた音色に感動したわけです。なまはげに怯える娘でしたが、鬼太鼓が気に入り、わんわん見る~と同じテンションで鬼の回を何度も見ることになりました。

吉備津神社、御釜殿で行われる鳴釜神事のシーンでの、鬼のうめき声とされる音。何回聴いても不思議な音色で、(ソやんな、、でもソじゃないよな。。あ!GとG♭の間!!)

あーーーーー!!!!微分音ーーーーーー!!!!!!

走馬灯のようにPORTA CHIUSA(ポルタ・キウーザ)との関西ツアーが思い出され、鬼のうめき声、神社の風の音、鳥のさえずり、私の頭の中で、【隠-おぬ】という楽曲が出来上がった瞬間です。

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初期メンバー!!!

メンバーはすぐに浮かびました。魂も声も美しくて(魂が美しい人って容姿も輝いているよね!)、自分を持っていて、鬼の雰囲気があって、新しいもの好きそうな歌手の方々と、その時の一番かっこいい音を軽ーく出しまくる當村氏にお願いし、二人目の子供が生まれる前に第一回のライブを終えることができました。
ライブ後の感想は
「これが面白いかはわからない、でも続ける!!」(詩子さん談)
でした。

続ける!!!の言葉通り、メンバーも増え、回を重ね、今に至ります。そして最初手探りだった楽曲たちは、回を重ねるごとに面白い音楽になっています!

【即興で演奏する】という表現は足かせでしかないかもしれません。
【譜面にない、かけない音の演奏】とか【エネルギーの呼応】とかそんな表現のほうがしっくりくるんじゃないかな、どうなんでしょうか。
【エネルギーの呼応】そんなことができてしまうおぬ 大事な大事なおぬ。
大きくしていけたらなと思っています。





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