【VRモード】 ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド 【やってみた】
「目を覚まして……」
2019/4/26(金)のアップデートによって、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』を全編VRモードで遊べるようになりました。
本記事では、ゼル伝のVRモードを遊んだ感想を書きます。
まず、VR体験には、出来上がった「VRゴーグルToy-Con」が必要です。
みなさんもう作りましたか?
ちなみにVR kitにはちょびっと版もあるので、
「ヘッドセットだけでいいんだけどw」という人はこちらの方が良さそうです。
でも、VR kitの方の体験はどれも唸る出来になっていて、
VRの入門・VRの勉強としては、ゼルダよりむしろこっちの方がおすすめです。ぜひ遊んでみてください。
風Toy-Con面白かったですよ。
「VRモード」とは
ここでいうVRモードとは、
・ニンテンドースイッチの画面を2分割して左右それぞれの目に描画を行い
・Nintendo Labo Toy-Con 04: VR Kit(ブイアール キット)で覗き
・頭(本体)の傾きに合わせて好きな方向を見回せる
ことです。要は「両眼立体視用ヘッドセットで遊べるモード」です。
公式アップデートをかけてゲームを起動しましょう。
プレイ中に起動するシステムメニューの「オプション」に「VRゴーグル」という項目が追加されています。
「VRゴーグルを使用する」に設定すると、注意事項が出て…
「目を覚まして……」
ジャジャーン! 目覚めの方、失礼します!
これをあらかじめ作った「VRゴーグルToy-Con」に差し込みましょう。
コントローラーをくっつけて置くと、覗き込みながら操作できます。(VR kitに公式の頭部固定用バンドはない)
それでは…
「奥行き感のある」ハイラルの世界へ!
崖から飛び降りたら、三人称視点も結構スリルがあります。
・誰かが落ちるのを見ると反射的に芽生える「危ない!」という感情
・視野周辺の激しい映像の動きによる臨場感
あたりのおかげで心にグッと来るのかもしれない。
当然死んだ。
これはなんかエロい写真。
前世が煙のバカなので、高いところに登りたくなった。
世界が丸ごと溶けてゆくような黄昏、愛しき没落のかくも美しいことよ。
とりあえず飛びますよね。
動きながらカメラをコントロールするのが難しく、思ったより自分が滑空している感じはありません。風Toy-Conと組み合わせたくなる。
ジャボーン!
この水に飛び込んだ時に上がる飛沫が好きだった。
っていうか多分、これは視覚提示の定石ではありますが、パーソナルスペース(体験者に近いところ)で視覚的な動きを発生させると、感情を揺らしやすくてグッドです。
水に体を委ねながら、カメラを寄せると完全一人称視点っぽくなります。
顔の側に水面を感じて、思わず呼吸が上ずりそうになる。
会話などの一部のシーンではカメラ(視野)が固定化されます。
冒険を楽しんでいるところに、急にイベントが発生すると、
視界を乗っ取られて「誰だよお前」ってなります。急に出てきてビビる。
この…!
こうじゃ…!
ちなみに、オープニングのムービーではカメラが固定されるどころか、
映画館のスクリーンや大画面のテレビを見ているように、
視野周辺がブラックアウトし、暗黒に浮かぶモニターにアニメーションが映し出されます。一二を争うエモいシーンだろうに、ちょっと残念。
暗黒に浮かぶモニターでビデオを見ているような感覚になる。
アイテム、植物、動物などのオブジェクトをマジマジと観察すると、画面で見るのとは違った印象が得られます。
モニターだと「まあこんなもんだよね」と思うかもしれませんが、VRモードでヘッドセット越しに見るとディティールに目がいくし、何よりプレゼンス(存在感・臨場感)を感じられます。
あ、別に鶏を焼こうとはしてないです。
モンスターとの戦闘も結構臨場感があります。
「素早く動くモンスターが、こちらに猛突進してくる」
みたいなシチュエーションがあると、不意に声をあげて慌てふためいてしまします。
「おい、やめろ、くるクァwせdrftgyふじこ!おい!待て!!!
ちょ、待てって!!!!クァwせdrftgyふじこ」
となるので、パブリックなスペースでやると気まずいことになるかもしれません。
でっかいモンスター。ほんとはドラゴンを撮ろうと思ったけど、見つけられなかった…。
VRモードプレイ時の注意点
1. UI見えない問題
場所の名前やHPなどが視界の隅に表示されていますが、VRモードだとほとんど見えません。
2. カメラ操作むずい
Twitterのタイムラインを見てると、カメラ操作、引いてはそれが引き起こすVR酔いに苦言を呈している感想がチラホラあります。
今回のVRモードで体験者は、「リンクの視点に乗り移る1人称視点」ではなく、「リンクの周辺に浮かんでいるカメラマンのような3人称視点」で体験ができます。ここまでは、まあスイッチのスペックなどを考えると自然かなと思うんです。
ただちょっとびっくりしたことに、VRモードでヘッドセットを覗き込んで周りを見渡すと、カメラの方向がリンクに固定されたまま世界が動きます。
激しく周りを見回すと、かなりVR酔いに繋がりそうです。なんでこういう仕様になってるんだろう……。
頭の向きに合わせて視界が動くのが苦手な人向けに、ジャイロ機能をオフにすることもできます。そうすると視界は基本固定されます。
つまり、
・世界が目の前に張り付いてるかのごとく、上を向いたらリンクも大地も一緒についてくる
・周りを見渡すというよりは、静止して覗き込んで立体視を楽しむ用
です。
個人的には、ジャイロをオフにした時に頭を少しでも動かすと、視界が頭の向きについてこないことに強烈な違和感を覚えて余計に気持ち悪くなります。ただ、視界の細かな揺れに弱かったり、ヘッドセットをがっつり覗き込まない人は、ジャイロオフでも楽しめるかもしれません。
ちなみに頭を動かさなくても、右スティックでカメラ(視界)をグリグリ動かすことができます。が、これはこれでVR酔いを強く引き起こすので多用はオススメしません。
VR酔いの問題
さて、酔うとか気持ち悪いとかいう意見もかなり目立つゼルダのVRモード。
確かに、VRモードで普段通りにずっと冒険しようとすると酔います。
僕はスクショを撮るためにハイラルの大地をVRモードで駆け回ったら15分くらいで気持ち悪くなりました。
・先に挙げたカメラワークの違和感
・スティックで視界を動かすことの気持ち悪さ
・スイッチの性能による、フレームレート(視界の移動の滑らかさ)不足
・ジャギー(*)や瞳孔間距離の不整合による眼精疲労
など、まあいろんな要因はあると思います。
(*) ピクセルのジャギジャギ
そしてもちろん任天堂も、酔いに対してそれなりに配慮しています。
例えば、しばらくVRモードでプレイしていると、休憩する旨が表示されます。
それから何より、このVRモードがどういう経緯・目的で作られたのか、
皆さんご存知でしょうか。
冒険の途中でいつでもVRゴーグルのON/OFFを切り替えられるので、眺めの良い場所、好きなキャラクター、お気に入りの装備など、気になるものがあった時にVRゴーグルで覗いてみる。といった遊び方がオススメです。
すでにゲームを十分に遊び尽くしたという方々にも、味つけを変えてハイラルの世界を“おかわり”してもらいたい、というのが今回のアップデートのコンセプトです。
モーションコントロールのカメラはちょっと苦手……という方は、「オプション」から「ジャイロ機能」をOFFにしていただければ、立体視だけを落ち着いて楽しむこともできます。それだけでも新しい味つけとして“おかわり”していただけると思いますよ。
そう、「ちょっと立ち止まって気になったものを覗いて見る」という使い方がオススメされているんです。実際、覗いて見ると「エモ…」となったところは、前半で紹介したように沢山あります。
それゆえに、VRモードでハイラルの大地を十全に駆け廻れないからといって
批判するのはちょっと可哀想かなぁという気持ちがないでもないです。
(多くのユーザは、ゼルダの全編VR対応というコマーシャルからそれを期待するのでしょうが。)
それでもVRで冒険したいんじゃ!
というお客様は、小さなことかもしれませんが、以下のことに気をつけるといいかもしれません。
1. ちゃんと立体視する
VRモードは、左右の目に微妙にズレた異なる映像を見せることで、奥行き感のある映像体験を実現しています。それぞれの映像が、それぞれの目に綺麗に飛び込んで来れるように、スイッチはちゃんとヘッドセットの真ん中にセットしましょう。
本当は一人一人の瞳孔間(目と目の間)の距離に合わせて映像やレンズの幅を変えられるといいんですけど、VR Toy-Conにはその機能はないですしね。多少眼精疲労が生まれるのは避けられないことです。
2. カメラの回転速度を遅くする
設定で、右スティックで視界をグリグリやった時のカメラ回転速度を変更できます。酔いに強くない人は、せめてこれをなるべく遅くするといいかもしれません。
というのも、VR体験による不快感は、VRの映像から実感する身体感覚に反して、現実の身体が動いていないギャップによって生じる(説が有力だ)からです。
3. 早めに休憩する
VR酔いって「後から来る」ことがあるんです。
既にVRコンテンツの開発に数年取り組んでいる人たちの間では、VR酔いに関して様々な知見が共有されています。
例えばPSVRの『サマーレッスン』プロデューサーの玉置さんが、VR酔いのについて、「個々人がそれぞれに許容量(器)を持っており、不快感(しずく)が溜まっていって、器からあふれた時に気持ち悪さを自覚する」と語っています。さらに、以下の経験則についても紹介されています。
(1) VRであまりに激しく動くと、人は一瞬で気持ち悪さを訴える
(2) 少ない不快感が長時間与えられ続けた場合、プレイ中は酔いを感じないが、しばらくしてから(終わった後などに)気持ち悪いことに気づく
(3) 飲酒と同じく、許容量は人によって異なる。許容量を超える不快感が溜まると、「酔い」が来るときは一気に来る
(4) 体調や慣れ、または酔い止めの服用などで許容量は変化する
まだまだ平気、と思っても、結構酔っていることがあるんです。
4. 酔い止めを飲む
酔い止めを飲みましょう。
開発者ができること
VR酔いを軽減するための開発Tipsも、既に色々と共有されています。
例えば激しい移動時は視野周辺をぼかすとか。
https://www.moguravr.com/vr-yoi-combated/
興味がある人はこの辺を見てみてください。
ただ、ここで注意したいのは、
「VR酔いが少ない=良い」わけでもなければ、
「VR酔いが少ない=面白い」わけでもありません。
(最近のVRコンテンツの中には、スティックでカメラをグリグリ動かすのも平気でやってのけ、「お前らが進化して酔いに慣れろ、酔っても面白いから大丈夫だ」と言わんばかりの作品も結構あります。)
ヘッドセットで視界をジャックするだけの、まだまだ完全には程遠いVRデバイスしかないこの時代では、酔いと面白さのバランスを上手く取っていくのが大事です。
ゼルダの伝説をやれ
いかがだったでしょうか?
今回は、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のVRモードについて調査してみました!
まずは「Nintendo Labo (ニンテンドー ラボ) Toy-Con 04: VR Kit」を買ってみるといいかもしれませんね!
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