- 運営しているクリエイター
#オリジナル
「ブルガリでお茶を」 はまりー
合格祝いにご馳走するよ、何が食べたい、そう訊かれたので石、と答えた。電話の向こうで佐和子が爆笑する。あんた、石て、わかんねーよ、いや、わかるけれども。佐和子とは中学からの腐れ縁でつきあった男のホクロの位置まで知っている。互いのことが分かりすぎてもう喧嘩もしなくなった。案の定、次の日新宿のごちゃごちゃした通りに呼び出され居酒屋のテーブルに付くと、わたしの食べたかったものが運ばれてきた。安っぽい皿に
もっとみる合格祝いにご馳走するよ、何が食べたい、そう訊かれたので石、と答えた。電話の向こうで佐和子が爆笑する。あんた、石て、わかんねーよ、いや、わかるけれども。佐和子とは中学からの腐れ縁でつきあった男のホクロの位置まで知っている。互いのことが分かりすぎてもう喧嘩もしなくなった。案の定、次の日新宿のごちゃごちゃした通りに呼び出され居酒屋のテーブルに付くと、わたしの食べたかったものが運ばれてきた。安っぽい皿に
もっとみる