待ってたよ、00s。
8/17 ドラマ『イケメン共よ メシを喰え』主題歌、
「ぐーぐーぐー」が遂に配信リリースされた。
それに伴い本楽曲のMVも公開されるわけで、
今回は久々にこのnoteにて本作について深掘りしていきたい。
何と言っても本作はテーマが00sということで、
平成一桁世代の自分としてはルーツがありすぎる為
話したいことが山ほどある。
さて、なにから話そう。笑
そもそも本作の始まりはドラマタイアップが決まった5月頃まで遡る。
待ちに待ったタイアップ、しかも書き下ろしという事で相当気合いが入っていた。
3人で飲みながらどんな楽曲にするか、どういう形でドラマ・原作に寄り添うか、ああでもないこうでもないと話した記憶がある。
そしてそんな事も忘れ、結局ダーツで盛り上がる。そしてマサは負け続けた。
リリースは夏だったので、やはりエネルギッシュなものが良いよなあという事でこのような楽曲が完成したわけだが、
(楽曲の制作秘話なんかはきっとマサが話してくれるのでここでは割愛する)
MVをどんなものにするかは正直ギリギリまで迷っていた。
MVは文字通り音楽的要素が含まれた映像なので、
楽曲を視覚化させる事を意識しなければならない。
この曲はかなり00sの音楽が意識された曲だったので、
当然ルックもそれに追随せねばならい。
00s、、、
ORANGE RANGE、大塚愛、湘南乃風、、、
世代がゆえに当時をトレースすることは容易過ぎる。
しかし当時のままMVを作るとなると、
海、ビキニ、プール、なんか水が出るでかいホースみたいなやつ、振り回すタオル、、、となる。
いやいや、今の時代にはまらなさすぎる。笑
ただテーマカラーをピンクにしようということだけは決めていた。
しかしそれが余計に当時のままに振り切ると、今の時代感から見ると下品なエロさになってしまう。
視覚化させるには絶対に今の目に馴染んだ形にする必要があるという思いがあるので、それではダメだ。
さてどうしたもんかなとYouTubeやSNSを漁っていると、
BTSのJKとCharlie Puthのコラボシングル、
「Left and Right」がリリースされていた。
なんだかトンチキなMVだなあと思いつつもサウンド感は今っぽく、何より色味に今っぽさを感じた。
ここでいう今っぽさについてもう少し噛み砕くと、
数ヶ月前の当時、Instagramのリールでは00sに出たデジカメ等で撮った写真をあげる動画をよく見かけていた。
あー確かにこの質感って可愛いよなあとその時思っていた。
そしてこのMVにもその意識が感じられた。
その頃の写真のような質感。輪郭が淡い色味。
だけども80-90sまでの古い感じはない。
更にJKが着ていたピンクの衣装が自分がイメージしていた発色にドンピシャだった。
「そうだよな、今やるならこのピンクだよな」と自分の勘が確信に変わった瞬間だった。
となればこの格好をさせるにはどんな物語を作る必要があるかを考える。
そう、本作はこのピンクを表現したいところから始まっているのでまだ具体的なストーリーはこの時点ではない。
原作を読んでみたり歌詞を読んでみたり。
この世界はどんな世界かなあと考えてたある日、
「あ、恋愛の駆け引きだからカジノに見立てればいいか」とふと思った。
話飛びすぎだろと思うかもしれないが、本当にふと思った。
この時点でサビにダンスを入れることは自分の中で決めていたので、
そこからはスルスルとプロットが浮かんできた。
Dannie Mayにとっても初タイアップのMVだから今までのオマージュも入れたいよなあとか色々考えていたらてんこ盛りの資料になっていた。
(ここは後述する)
そもそも本作の主人公は最強にしてめちゃ可愛いかつカッコいい人にしたかった。
恋愛の駆け引きと言えど、そこに依存していない感じ。老若男女問わず絶対に他人に負けない最強の女の子。
ここの部分は制作スタッフに相当しつこいほど伝えた。
何故ここまで最強な女の子を表現したかったかというと、
やはり00sの影響がある。
モーニング娘。をはじめとしてあの当時、幼いながらに見ていたアイドルの圧倒的なかっこよさみたいなものにワクワクしていた。
仮にもそれはフィクションかもしれないが、
だからこそワクワクできたのだろうし、
大人になり自分がいざ作る側になった時もそのワクワクは残っていた。
もはやモーニング娘。の「LOVEマシーン」を
この時代に再構築してやろう、くらいの意識があったのかもしれない。
だからサビのダンスははずせなかったし、テーマカラーは絶対にピンクだった。
そうして最強で可愛くてかっこいいキャラクターが誕生した。
キャストさんはNANAさんというダンサーの方。
制作チームから候補者を何名か提案いただいて、
目についたのがNANAさんだった。
この方はイメージにきっとめちゃくちゃ合うと。
振り付けをお願いしたkantaさんもダンサーの方で、
TikTokで知った。
"うわーかっこいいなー"っていう個人的な感情からお声がけさせていただいた。
お二方ともお受けいただいて本当にありがとうございました、、、!
専門外はその道のプロに任せた方がいいので、
ざっとイメージだけ伝えて、振り付けはお任せした。そうして出来上がったダンスだが、これまためちゃくちゃ可愛くてかっこいい。
最強の女の子が踊ってそうで精度が高く驚いた。
さすがプロだ、、、
ちなみにカジノで最強の女の子を配置するイメージは、僕自身が数年前にラスベガスへ行った時の実体験から来ている。
ルーレットの卓でこれでもかというほど勝ち越してる日本人の若い男の子がいた。
本当に映画で見るほどチップが積まれていて、周りには人だかり。
臆することなく賭け続ける、そして勝ち続けていた。
通りがけに何気なく見たあの光景が甦り、本作へ影響を与える。
本当に経験というのはどこで活きてくるか分からない。
さて、ここまで来たらあとはお祭り要素を入れていく作業。
いわゆる小ネタ。
ポップでハッピーな作品が本当に大好きなので、
本作はこれでもかと小ネタを入れてやろうと思った。
全部語るのもつまらないし、見た人のそれぞれの解釈が答えなので事細かく説明しないが、
Dannie Mayの過去のMVのオマージュについては少し触れたい。
まずドラマのテーマの一つに「食」というものがあって、Dannie Mayが「食」をテーマにした過去作といえばもう一つしかない。
そう、「暴食」だ。
なのでまず本作も最強な女の子が食べ物を食べるシーンを入れるのは確定だった。
次にこのシーン。
マネキンがだんだん増えていくシーンだがこれは
「ユートピア」のリリックビデオから来ている。
SNSを見てると、「このマネキンはYunoさん??」というコメントもたくさんあったけど、
ここはあえて触れないでおく。
こんな感じでオマージュを楽しんでいただいたところで(他にもあるよ!)、小ネタについても少し触れる。
多分一番考察し甲斐があるだろうシーンは
ラスサビ前の「AでもBでも〜」のくだりだろう。
あそこは頭文字に合わせて、物を用意しているのは言わずもがな。
ちなみにA=Appleについては紛れもなくドンピシャな考察があったので種明かし。
これはリンゴ、つまり禁断の果実を表している。
歌詞にも「アダムとイヴ」が出てくるので分かりやすそう。
アダムとイヴが禁断の果実を口にしたことで知恵がつき、無垢さが失われて人間らしい欲望を覚えるというのは有名な話だが、
恋愛でいう"A"もいわばそのスタート的な位置と言えるだろう。
こんな感じで、B以降についても裏テーマが与えられている。
もちろんDに関しても、DだからDannie Mayってだけではない。
何故DがDannie Mayなのかは考察してみてほしい。
(ここで上述した"老若男女問わず"という言葉を思い出しながら、、、)
タバコに見立てて吸ってみるなんてこと、子供の時やったなあ。
他にも色々あるので、ぜひチェックしてみてほしい。
みんなの考察は楽しく読ませていただいておりますので。
その他の小ネタについてはインスタで少し触れているのでまだ見てない方がいたら一度読んでみてね。
それはそうと「LOVE マシーン」の話をしたと思うのだけど『明るい未来に就職希望だわ』っていう
歌詞がすごく好きなんだよね。
そして「ぐーぐーぐー」って歌詞全体通しても登場人物たちに何も起きてない感あるじゃん。
それがすごいよくて。だからMVも何となく、未来へ繋がるというかこのMVで物語が完結しないような感じで終わらせたかった。
明るい未来が待ってるかなんて分からないけど、
自分の未来がポジティブだって期待するくらい良いじゃない。
楽観的かもしれないけど、00sの音楽にはそういう精神性があるような気がしていて、今の自分たちにはこの精神性が必要だよなって。
Dannie Mayだって山あり谷ありだけど、
やってる自分たちくらい明るい未来に就職希望したいわけじゃん。
だからずっと待ってたんだよ、00s。
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