シーシャ屋で女の子とイチャイチャしたかった。『HookahHaze』レビュー。一歩足らずの佳作。
発売日:2024/7/11
開発元:アクワイア
販売元:アニプレックス
ジャンル:マルチエンディングADV
価格:1980円(7/24まで10%オフで1782円)
総評:『VA-11 Hall-A』や『コーヒートーク』に似たゲームシステムや雰囲気のようで、実際は上手く噛み合っておらず、よくある平凡なギャルゲーに近い。色々と惜しい作品。
前置き
どうも、ユンザです。
今回はHookah Hazeのレビュー記事になります。
去年の東京ゲームショウにてタイトル未発表でキャラパネルだけあってノベルティーを配ってたのを見つけてからずっとどんなゲームになるのか楽しみにしてて、ニコニコ超会議にて試遊もしてきました。
1990年代のADV風でいて、全く新しいゲーム体験をもたらした『VA-11 Hall-A』や、それに多大な影響を受けた『コーヒートーク』にかなり似た雰囲気を感じさせる作りになっていて、本作はかなり期待していたんですが…。
触ってみたらよくあるギャルゲーで正直ガッカリしてしまったんですよね。ギャルゲーとしては悪くないのかもしれませんが。
さて、ゲームのレビューの方に移っていく前に。
・関連情報
本作は『勇者のくせになまいきだ。』、『AKIBA'S TRIP』、『OCTOPATH TRAVELER』でお馴染みのアクワイアが開発で、販売元は言わずと知れたアニプレックスだ。
アニプレックスが販売元ってことはこう言うことなんですよと言わんばかりの公式からの供給の多さ。
THEキャラの方とで絶妙にアクスタが違うのがいやらしいですね…。
ムシキングのアクスタと合わせるのに丁度いいサイズなのでオススメです。
前置きが長くなってしまったが、レビューに移っていくぞ。
・ストーリー、キャラクター紹介
イカれたヒロイン共を紹介するぜ!!
炭木トオル。真面目系病弱主人公。中性的な見た目でずっと性別どっちだか悩んでたんだけど女の子らしい。ヒロイン共にからかわれてはすぐに赤面する。チョロい。
チョロいクセにトゥルールートでは頑なにバッドエンドに入ろうとする。
愛上あむ。本作のメインヒロイン。リアコ営業してたら勘違いしたガチ恋オタクにストーカーされていたところを店に匿い、助けたことで主人公に一目惚れ。
凄い勢いで主人公にぐいぐい近づいてくるメンヘラ気質を孕んでいるタイプの子。開店初日からヤバい女に目を付けられるハメになる主人公の命運や如何に──。
明日院こころちゃん。シーシャ愛好家。他2人がアレなのでツッコミ役に回ることが多い常識人枠。ある精神障害を抱えながらも健気に頑張るアパレルショップ店員。
3人の中で一番ちゃんとシーシャの話をしている。
瞳の形がコロコロ変わるのどうやってるんだろうね。
そして、私のイチオシの古森くるみちゃん。ゴスロリを身に纏ったナッツを愛してやまない不思議系クレイジーフィーバーナッツ。
非常に人見知りでコミュニケーション弱者。一呼吸に5文字までしか喋れない。
その自由過ぎる突拍子もない行動と怪しさでありとあらゆる店を出禁にされている。かわいいね。
・ゲームの流れ
一日の始まりはシーシャのオススメ投稿をするところから始まる。これによってその日の来客が決まるシステムになっている。2日目までは固定。
フレーバーにスイーツが含まれていれば愛上あむ、ナッツが含まれていればくるみちゃんって感じで。
本作の特徴として、店内BGMはいつでも好きに変えられるようになっている。VA-11 Hall-Aやコーヒートークでもお馴染みの仕様だ。
他愛の無い会話を少し挟んだのちに炭交換パート。
実際のシーシャでも、時間が経つと段々と煙が弱くなったり、風味が落ちてきてしまうので30分に一回くらい炭を交換する必要があるんですね。
炭交換パートは炭を1〜5個置いて煙の味を調整していく。個数は毎回ランダムなんだが、ヒントを教えてくれるから難しくはない。
調整が上手くいけば目を輝かせて喜ぶし、失敗するとBADキマってる顔に。BADみたさにわざと失敗させがち。
炭交換で一息ついたらヒロインたちの身の上話なんかが挟まって、主人公とヒロインとの距離が少しずつ近づいていく筋書きになっているぜ。
その後は1人ずつキャラが帰っていって営業終了。その日のオススメ投稿したフレーバーと来客したキャラをまとめてくれる。
これを繰り返していって、同じキャラを何度か来店させるとエンディングのフラグが立って選択肢が出るようになる。ADVとしては非常にシンプルなゲームだね。
不満点、気になった点
・BGM周りが下手
会話シーンによっては店内BGMと別のBGMに切り替わるんだが、店内BGMに戻るときが最初の頭からなので延々と同じBGMばかり聴くようになったり違和感が凄い。
せめてBGMが徐々にフィードイン、フィードアウトするような仕様なら気にならなかったかもしれないのに全部ブツ切りなんだよね…。
特にgoodエンドに到達すると主題歌の『Hookah, Whoo‼︎』が店内BGMに設定できるようになるんだが、BGMの繋ぎが下手だから設定すると違和感バリバリになるって言う。
というかくるみちゃんとの会話シーンの多くに使われているBGMが店内BGMに設定できないのが勿体無い。
・オススメ投稿を活かせていない
オススメ投稿の仕様がその日の来客が決まるだけのもので、これによってなにかセリフが変わったり、オススメ投稿したシーシャをヒロインに作っても特に何もない。
と言うか、シーシャを出しても好みによって反応の違いが3、4パターンほどある以外は特にない。極論、ヒロインの注文を完全に無視しても一切ゲームに影響しない。
本作には好感度といった裏ステータスは存在しないしゲームオーバーやエンディングにも一切影響しないので周回するとシーシャパートが本当に適当に飛ばしていい作業になってしまう。
好みによる反応の違いも単純に好みのフレーバーをどれだけ入れたか?なので色々試す楽しみがほとんど無い。
同様に炭交換も反応は3パターンのみで適量は毎回ランダムではあるものの、その後の会話などに影響しないので周回していると毎回挟まるのが煩わしくなってしまう。
DMのメッセージも返信してもほぼ何も返ってこないのは流石にバグかなんかだと思いたい。
・一日のテンポが悪い
まずSwitch版の話になるがスキップが左スティック押し込みなので、単純に押しづらい。その上に炭交換などで画面が切り替わるたびにスキップが解除されるので何度も押す必要がある。
来店回数のみが条件でエンディングのフラグが立つので、前述の通りシーシャや炭交換は適当でもゲームには全く影響しない。周回するとシーシャ部分が要らなく感じてしまう。
会話にランダム要素はなく、来店回数に応じて固定の為、周回してると読むものが無くなってくるから二人の会話を見たくなるところなんだが、これが少し面倒くさい。
来店回数でエンディングのフラグが立つ仕様なので、会話を全て見る前にエンディングに突入することが起こりがち。
例えば愛上あむとこころちゃん二人の会話が見たい場合、くるみちゃんのgoodエンドのフラグを先に立てて他のフラグが立たないようにする。次にくるみちゃんが来店しないようにオススメ投稿でセルフ出禁をする必要がある。
・進捗が分かりづらい
営業終了時のリザルト画面がなんと後から見返すことができない。そのせいでどのキャラが来店何回しているのか、進捗が非常に分かりづらくなっている。
・場面が繋がっておらず画面作りが下手
VA-11 Hall-Aやコーヒートークを遊んでいて、本作にも似た雰囲気を期待していた人間が一番違和感を覚えてしまうところ。
これは説明がちょっと難しい。
本作はヒロインが来店してシーシャを提供し、軽めの雑談から入って炭交換をしてウェイトの重い話を挟み、また雑談をしたのちキャラが帰っていく…と言った構成になっているんだが。
良くも悪くも最初から最後までずっとこれなのでキャラじゃなくてシステムと会話してるような感覚になる。
こういうシームレスな会話がこのゲームには無い。シーシャ要素がことごとく邪魔をしていて本当に勿体無いよ。
良かった点、感想
くるみちゃんのグッドエンドを最初に見たけど、これが一番好きかも。次点でこころちゃんのグッド。
愛上あむ、な〜…。
NEEDY GIRL OVERDOSEと潤羽るしあで散々メンヘラやば女をしゃぶり尽くした後だからまあ…。
クェス・パラヤを鬱陶しがるシャアの気持ちになるですよ。
ちょっとね、好きになれるキャラじゃなかったね…。
主人公が自己評価がかなり低くて余命も幾ばくか、そんな折に出会ったヒロイン達もみんな何かしら生きづらさを抱えているんですよね。
愛上あむの自信満々で真っ直ぐ気持ちを伝えてくる姿勢に主人公は大分救われているし、こころちゃんとは【ネタバレなので伏せます】ことで救われているし、くるみちゃんは直面している悩みを解決してあげることで最後に人助けできたなって救われているんですよね。
そうしてグッドエンドでヒロインに看取られて主人公は死んでいくわけですけど。
各ヒロインでエンディング3つずつなんだけど、くるみちゃんのグッドエンドがちょっと救われない気がするからもうちょい増やして欲しいんだよなー。
くるみちゃんの横で急に死にたい。んで、死んでることに気付いていないくるみちゃんに「眠い?疲れた?ナッツ、食べる?」って声かけて欲しい。
後これ個人的な感想なんすけど、毎日来店させるの凄い申し訳なくなる。3人しかキャラいないから余計にね…。
二週間限定の店で場所が秋葉原、呼び込みは無く、SNSの宣伝のみとなると常連しかこないのはまあ妥当ではあるけれど。
まあでも、くるみちゃんは他の店出禁になってるから毎日来るか…。
ちなみに調べてみたら実際にシーシャバーを開業する場合、ニコチンの有無に関わらず、たばこ出張販売許可もしくはたばこ小売販売許可のどちらかが必要で、小売販売許可は条件が面倒なので大体の店がたばこ出張販売許可を取ることになるんだけど申請に6ヶ月かかるらしいです(たばこ小売販売許可は2ヶ月程度)
既にあったシーシャバーを内装弄って二週間間借りしてたんかなあ。誰が?ってのはもちろん病院の先生しかいないでしょ。何で先生のグラフィック無いんですかね…。
先生視点で主人公を攻略させて欲しいまである。
現実の秋葉原を忠実に再現した『AKIBA'S TRIP』を作ったアクワイアが開発してるのに、秋葉原の部隊設定ほぼ無いようなもんだったなー。
まとめ
正直、期待してたADVでは無かったし、そこそこ止まりの作品かな。『電気街の喫茶店』!!後は頼んだぞ!!
こうしてみるとVA-11 Hall-A、コーヒートークよりかはNEEDY GIRL OVERDOSEの方が近かったんかなあ。
被せるようにコーヒートーク2も7/24まで30%オフのセール中なので未プレイの方はこの機会に是非。
後すみません、THE SHOPの方の主人公のアクスタがなんか即完売したんで再入荷待ってます!
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