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マーチャンダイズ(グッズ)はCI問題にどう対処していくか。

前回は、今後MDが目指す理想像について書き、普段使いできる商品の導入を挙げました。

普段使いできる商品で重要なのは、一つは"デザイン"です。
ロゴやエンブレムなど、その会社の"顔"の主張が前面に出ていると、普段使いしにくく、生活の中に入り込めないことが多いからです。

では、ロゴやエンブレム含め、自由にデザインしたいものですが、MD部門を持つような企業には必ず、CI(Corporate Identity)があります。

CIは企業の理念やコンセプトの元、ロゴやマークの使い方についても定義されているものです。
文字のフォント、色、マークの大きさ、背景の色、縮尺、余白...がきちんと決まっています。しかもその一つ一つにも、細かい指定(色だとパントーン、CMKY...など)があります。

例えばこれは、スタバのガイドラインです。
(CIはwebに載せている企業もあれば、社外には出していない企業もあります。)

そりゃ規定はありますよね。
マックのMマークも黄色と赤って決まっているし、だから誰もがマックのイメージカラーが黄色と赤のMマークになっています。もし青と緑になったら、気持ち悪いですし、そんなことしたら、みんな偽物だとわかります。

ただ、そのCIをきっちり守ってMDを作っていては、売れるアイテムは作れないと思うのです。もし遵守しながらアイテムを作るなら、マーチャンダイザーの仕事はとても楽だと思います。
でもそんな商品、ちっとも魅力的ではないし、売れないです。

例えば、黒のTシャツに、目立つ黄色でロゴを入れたデザインのTシャツを作りたくても、ロゴ色が赤、背景色が白の規定だとしたら、そもそも作れないです。もし黒のTシャツにするなら、白をのせて、その上に赤でロゴをのせないといけないことになります。

だからCIを全て守っていては、素敵な商品が作れないのです。

そもそもCIは、マーチャンダイズという"物"を作るために規定されていないのがほとんどです。
web上や、印刷物に用いることを念頭に置いているので、MD担当としてマーチャンダイズを企画する時、参考にならない場合もあります。
(中には、Appleなど、マーチャンダイズにも規定を設けている企業もあります。)

だからと言って、なんでもアリ、というわけでもないので、そこがマーチャンダイザーの腕の見せ所です。
その企業のイメージを崩さない程度に、ロゴ/マークを崩した商品を作るので、矛盾しているのですが、それをするのが仕事です。

CIを崩すと、純正と偽物の線引きがつなかくなりそうですが、まず、純正と名乗れるのはその企業だけなので、ロゴを崩していても、タグやホログラムに、正規のロゴやマークを入れ、純正を証明して販売することは大前提です。

その上で、MDの売上を伸ばすために、普段使いできるアイテムを増やそうとなると、CIにとらわれない斬新なデザインのものがでてきます。ここは、あくまで純正品を作るので、一定の水準は保たないとなりません。(ここが、高品質のアイテムを導入すべきといった理由でもあります。)なので、各社基準を設け、慎重に制作を進めなくてはならないところです。

そしてここまでやるとなると、MD部門の一大プロジェクトとして、会社全体の協力を得ないとできないことだと思います。
ロゴを崩していることもあるので、しっかり社内で理解、承認を得て発売までこぎつけることが必要になります。

ただ本業ありきの段階では、社内でMDはどうしても優先順位が低くなりがちだと思います。後に大きなビジネスになることを社内に示し、理解/承認を得ながら大きくしていくこともは、時間もかかることですが、重要で必要なことだと思います。


今日のまとめ
・CIを遵守するばかりではなく、クリエイティブなアイテムを作るべき
・CIを尊重しつつ崩すので、矛盾するこになるが、純正としての最低限のラインを保るアイテムにしないといけない
・MDは社内での優先順位が低くなりがちだが、1プロジェクトとして、社内の理解を得ることが必要

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