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輸入車業界のグッズ事情

前回、自動車業界のグッズ展開について書きましたが、今回は輸入車業界に関してもう少し詳しく考察してみます。

というのも、日本車であれば、本社は日本にあるのでMDの意思決定は早いしシンプルなのですが、外国車を日本で販売し、MDもやるとなると事情も業務も複雑になると思うからです。

アイテムの種類

外車メーカーのMDは大きく3つに分けられると思います。
①本社アイテム
②ローカルアイテム
③ラインセンスアイテム

①本社アイテム
本社が開発して揃えたアイテムがあります。それを日本でも販売することになります。その際には、日本で売れるものを選定して、数を決めてオーダーします。
本社のMDを入れて売るだけだったら、担当は自分で開発しないので、仕事はとても簡単です。

②ローカルアイテム
通常は本社アイテムにプラス、ローカルアイテムを開発します。
外車だと、本社の国のターゲットと現地でのターゲット層がそもそも違うことがあります。
さすがにフェラーリレベルであれば、どの国でも大きな資産を持った人が対象となりますが、例えば、イタリアの国民的メーカーフィアットは、日本でいうトヨタ的存在だと思いますが、フィアットは日本ではおしゃれな外車として、やや高級車扱いされていますし、オーナーの層もイタリアと日本で少し違うように思います。

なので、各国のMD担当はローカル商品を開発して、自分の国でのMDの売上を伸ばしていくのです。

③ライセンスアイテム
もう一種類、アイテムがあります。それがラインセンスアイテムです。
これは本社が、自分の企業のマークを使って商品を作っていいよと許可をだし、そのライセンス料をもらい、ラインセンスを受けた企業が商品を作って売ります。
これだけは、自動車メーカーの販路(ショールームやオフィシャルECサイトなど)で販売する本社アイテム、ローカルアイテムと違い、ライセンスを受けた会社の販路で販売されます。

つまり、外車メーカーの日本法人には利益は全くないのです。
ましてや、同じ日本で、同じメーカーのロゴが別の販路で販売されてしまうので、物によっては現地法人は困ることもあるでしょう。(どの会社にライセンスを出す、という現地法人への連絡は、ほとんの場合ないです。)

アイテムの種類は3つ挙げましたが、本社アイテムのみのメーカーや、本社アイテムは導入せずローカルアイテムだけを国内で展開するメーカーと、それぞれあります。

ECサイト

EC市場が拡大している昨今、自動車さえネットで買えてしまいます。
MDも、各社オフィシャルオンラインストアを立ち上げるメーカーが増えていますし、しかるべきだと思います。

先ほど本社アイテムのみを取り扱っているメーカーもあると書きましたが、本社がオンラインストアを持っているのであれば、ぶっちゃけ日本のショールームに行かなくても、日本のオンラインストアと比べて、安い方で買うことができてしまいます。
なのでこれからの時代は、本社アイテムだけを取り扱うことは意味がなくなると思います。

ECサイトの運用の仕方は、各メーカーで手法が分かれてきます。
一つは、ローカル商品は展開させず、本社が商品と、グローバルのECサイトを用意しているパターン。
イタリア車に多いように思います。FerrariLamborghiniMaseratiなどはそうです。

本社が管理するのは、合理的であると思います。
各国からアクセスできて、アクセスした国の言語で表示されますし、管理も一括で済み、情報も集められるのがメリットです。
ただ、まだ日本語に一部誤字があったり、値段の表示が見にくかったり、USドル表記だったりと、使いやすさに改善の余地はあると思います。


もう一つは、現地法人が独自にオンラインストアを立ち上げて展開するパターン。
ローカルMDを展開するメーカーは、必然とこっちのパターンになります。日本だと、国内で作られたサイトなので、使いやすさは普通に問題ないですが、写真が少ない商品もあったりと、こちらも改善の余地はまだあると思いました。
また、多くの場合がアウトソースされているためか、メーカーHPとリンクされていないか、あっても見つけにくい位置にあり、もったいないところだと思います。
(フランスメーカーは見つけやすかったです。)

本社管理のグローバルECサイトか、ローカル開発のECサイトどちらが良いのかとなると、一長一短だと思います。
本社がそれなりに、各国で売れる商品を用意できる力があればグローバルでも良いと思いますし、ターゲットが絞れないようであれば、ローカル展開した方がファンにも喜ばれるのかなと思います。

最後に、MDの展開はあるけれど、オフィスシャルストアを展開していないメーカーもあります。イギリスのメーカーに多いと思います。
私はこれは一番もったいないことをしていると感じます。今はネットでなんでも手に入る時代に、カタログだけwebに載せてネットでは買えないと、非正規のルートからの購入を促し兼ねないと思います。
MD展開するのであればECサイトを用意して売った方が良いと思います。webに載せるだけ、店舗販売のみであれば、もうMD事業自体しない方が良いくらいだと思います。


今日のまとめ
・輸入車は、日本車メーカーに比べて展開が複雑
・本社アイテムとローカルアイテムがあり、ローカルアイテムは本国とのターゲットの差を埋めることができる
・ECサイト展開は、本社管理と、ローカル管理に分かれるが、一長一短で各社の戦略次第

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