自分を存在させること 2023/2/2
友達に「最近何してた?」と聞かれるのがつらいのだと、ついに直接言うことができた。
今まで言おうとも思っていなかったけど、そのかわりに、こういう場所や一人で、分析したりぐちぐち思ったりしていた。
「文字だけの場所」や「一人でいる時」といった、閉鎖された時空で出てくる言葉や発想や相手に対する印象は、知らないうちにすごく尖鋭化されてしまう。実際に相手と会っている時に、自分の目で見ているものとは全然違うんだな、と急にわかった。
閉鎖空間で煮詰めた言葉はマイナスに傾きがちで、信じすぎるのは危険だ。
それで、嫌だと思うならその場で相手に伝えてみようと思ったのだった。
🦄
実際に言ったのは、「つらいからやめてほしい」ということではなく、「なんでいつも同じことを聞くの?」と、「私にどういう答えを期待してるの?」だった。
私が、「3ヶ月間休みだけど、私は短期留学には行ってないよ。(俳優の鈴木亮平は、もし長期の休みが取れたら何をしたいか?という質問に『短期留学に行きたい』と答えていた。)映える休みは送ってないってば」と言うと、友達は、「別にそんなのは期待してなくて、何か面白いことしてるんじゃないかな~と思って」と言った。
そして続けて、「メグミちゃん、夏休みに同じことを聞いた時に面白いこと言ってたから」
「え? 何て?」
「『暑すぎてずっと寝てた』って。」
え! 何その生きる覇気の無い人の答えー!やだわー! オモシロにも程遠いし! と私が衝撃を受けていると、友達は「それが面白くて面白くて。いい答えだな~と思って、他の友達にもしゃべっちゃったよ。それで、つい『何してた?』って聞いてしまう」と言ってまた笑っている。
よく寝ていたのは事実だが、その時もその大喜利のような質問に困って、私は「暑すぎて寝てた」と答えたのだろう。
それも、そのままはっきり言った。
映えた答えが期待されていたわけではないらしいが、変なところで気に入られているのも、別によくはない。もっと言えば、よくも悪くもない。引き分け、というのが正しいのかもしれない。
さらに突き詰めると、友達の聞く「最近何してた?」は「How are you?」と同じ意味らしい。それなら「まあね」的に、定型で適当に流せばよかったのかもしれないが、言葉にガチで向き合うのは私の性分だ、ということも同時にお伝えしてはおきたい。(その時は思い付けなかった。)
結局、「だからやめてほしい」ということを友達にお願いしたというわけでもなかった。
はっきりとした勝負のように、どちらかが相手の言い分を飲んだり、謝ったり(?)といった、結果に明確な変化があるような話し合いにはならなかった。
でも、私は満足した。
「最近何してたの?」は、答えに何かを期待されているようでプレッシャーを感じるということを言えた。責めたり怒ったりせずに、「そうなんだよ!」という調子で。私がそう感じているということをそのまま言えたのがよかった。押し殺したり我慢していない。家で一人でぐちぐち言ってない。「やだな」と感じた自分をそのまま存在させた。それでよかった。
同じことを聞く友達と、それを嫌がる私は、どっちが正しいのかはわからない。でも、自分を殺さず伝えて、両方存在させればいいのだと思う。
もしかしたら、また同じことを聞かれるかもしれない。でも、われわれはもうこの話し合いを経たから、私は、「また同じこと聞いてる!」とか、「だから短期留学には行ってないって」と、突っ込むことができる。それは、想像するとかなり気が楽な未来だと思った。
言えたな~。言えるんだな。
それだけで、友達に話したい話が増えた気がした。
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