さみしくて荒れる2023/6/10
数日前名古屋に帰った。
近鉄ではずっとラジオを聴いていた。
▽小島慶子が、『メルケル(ドイツの元首相)の人生、涙無くしては見られなかった』と言った。
○私も。偶然観たNHK『バタフライエフェクト』が忘れられなかった。
○ドイツは移民を受け入れる。ドイツが東西に分かれていた時代の東ドイツ出身のメルケル。分断され断絶させられた経験。加えて女性であるということ。
○退任式では自分の青春時代の曲を選曲。東ドイツに逃れた歌手の『カラーフィルムを忘れたのね』は、パンクロック。
ドイツは移民を受け入れる。メルケルはそう表明した。そのことに対する批判もあるが、支持を表明する人々もいた。
理想を言葉にして実現できるように示すのが政治家なのだと思った。
翻ってこの国では、入国管理法の改正案が通った。
▽それを受け、ある自民党議員は「日本人と外国人の方が安心して暮らせるように」と言った。
日本人と外国人を分け続けるのが自民党だと思った。
『この国に住むすべての人たち』とは決して言わない。日本人と外国人をどうしても分けたいようだ。
また、この国に迷惑をかけず、利益をもたらす外国人なら受け入れるということだろうか。
日本人はこの国のために尽くすのは言うまでもなくってことで。
維新代表のスローガンらしい『国家国民のために』という言葉にも、大いに抵抗を感じる。その態度は拡張して国民に対しても『国家』に尽くすことを求めるだろう? そちらが個人で勝手に思うのは自由だが、私は国家のために存在しているつもりはない。
▽現政権については、『歴史に残る国会による決定で、悪法が次々に作られていく』と言う人もいる。『歴史に残る』というのはもちろん『悪政として』だ。
・マイナンバーカードと保険証の一体化。
・入国管理法。
▽マイナンバーカードにまつわる一連の不備はシステム上のものも多く、ただの凡ミスではなくそれほどまでに日本の技術が衰退しているという向きもある。
▽低出生率に対する政策としての子育て支援はその予算をどこから生むのか先送りされた。
一方で、外国の求めに応じて防衛費は上がり、すぐに決まった。
▽自民党はしきりに民主党政権時代を揶揄するが、しかし民主党政権は国民にとって決して悪夢ではなかった。今は安倍時代から続く永遠の悪夢のなかにある。
▽2040年に年金は底をつくと言う。
🚇️
こんなにめちゃくちゃなのにどうして人々は何も言わない?どうしてデモが起きない?起きても限定的なのだろうか?どうして何も変わらない?
名古屋に着いて、名鉄百貨店をうろうろした。名古屋もとにかく人が多い。大荷物を抱えながら、家に買って帰るためのおいしいものを探して人の隙間を縫って歩く。
不意に、この人たちはデモに行かないのだろうと思う。デモに行かずにこんなところで、ただ新しくて珍しく、美味しいものを探している。そのための小金はあるから。百貨店とはそういう場所で、百貨店に来るとはそういうことだ。暇なのだ。暇だから新しいものに向かって行列を作る。そんなことをして、気をそらしている。
新しくもないが急に話題になってメディアで取り上げられたから欲しくなったヒヨコの形の洋菓子には何時間でも並ぶのに、デモには行かない。
自分も同じだ。デモに行かないがこんなとこに来ている。
百貨店は、人に誘われても行ってしまう。阪急梅田のニューヨークフェアなんて、ほしいものなんかあるわけがないのに行ってしまった。 案の定目の当たりにしたプチブルジョアの姿に盛大にうんざりしたじゃないか。みんなひま。で、頭からっぽ。私もな。
しかし、名鉄百貨店の催事コーナーで売り場の人に猛然とプレゼンされた水ういろうは、めちゃくちゃ、本当にめちゃくちゃおいしかった。妹の家に持っていき、言われた通り、食べる2時間前に冷蔵庫に入れた。ありえないもちもち感。ひんやりした口当たりが気持ちいい。
感動し、すぐにネットで店舗を調べ尽くした。店舗でしか買えないと言っていたからぜひ買いに行きたいのだ。
私も俗物だ。
🚇️
帰りの近鉄で聴いたラジオでは、
▽痴漢について研究している人が、『この国は誰もが認める男尊女卑社会』と言っていた。
▽誰もが気付かないうちに男尊女卑を内面化している。
▽制服の学生を狙うのは、制服が従順のシンボルだから。きめーっ! でもめっちゃ事実。
○痴漢は性欲じゃなく支配欲。グルーミングも。
○言語化と衝動性は対極にある。
○つまり、『なぜ痴漢するのか?』というと、言語化する習慣や経験が無く、できないから。 ストレスや日々のつらさ、自分の弱みをさらけ出したり内面を言葉にすることができないから。社会が男にそれを認めていないから。
▽いや、そうなのか?!言語化ぐらい自分でしてくれよ。そもそも加害すんなよ!!
🚇️
▽急に人の言葉がよみがえる。しつこく残っている。
▽友達が『怪物』を観てLINEしてきた。『めぐみちゃんと観るべき映画だと思った。感想を語り合いたいからぜひ観て!』。
▽後日、感想話を聞きながら思っていた。それって、一緒に観た夫が語り合う相手として物足りなかったからじゃん。そんなの最初からわかってたことじゃん! 私がふさわしいってこと。当たり前。
……書いていて、自分の傲慢さに驚く?
いや全然! 自分の正しさを実感するばかりだ。だから孤独になっていく。
名古屋帰りでさみしいので、全方位的に荒れてしまった。
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