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「人間」すぎてやばい2022/12/13

高校3年生の最後の授業で、本の紹介をするつもりで、プリントを作っている。小説編は8冊。多い。しかし譲れない。
限られた製作時間で、限られたスペースの中に収めたかったから、私はライターじゃなくて編集者に徹することにした。こんなの初めて! いままではすべてライターしてたよ!

本のあらすじは、出版社が出してるものを使った。「公式」のはずだからちょうどいい。
それから、作家が作家の作品を解説してる文章を見付けたのでお借りした。(金原ひとみが津村記久子の小説解説してるとか僥倖。)
最高なのは作者のインタビューだ。いい言葉ばっかり。

そういうのを、編集者の技術で(!)組み合わせた。

つまり、勝手にバンバン引用しているということになるわけなのだが……。

すごく罪悪感があるが、高校で使うためだけのプリントだから許してほしい。
それでも、自分でイチから書かなきゃいけないよな、何切り貼りして自分で作りましたみたいな顔してんだよ、という声は時々頭によぎる。
でも時間がないし、うろ覚えの私の説明よりも、プロの言葉の方がずっといいし、今私がやりたいことに沿うからこうしてるんだ。って頑張って言い聞かせる。

このプリントを使って、授業で、自分とその本にまつわる話をしたらいいかなって思ってる。

ネットで材料を集めていたら、金原ひとみが『ミーツザワールド』のインタビューですごいことを言っていた。

──金原さんの小説には「わかりあえなさ」というテーマが必ず織り込まれていますよね。これまではどちらかというと、わかりあえないということにどこまで絶望できるかという方向性だったと思うんですが、今回はそこから一歩前に踏み出している印象を受けました。

プロのインタビュアーもさすが…✨

そうですね。これまではわかりあえなさの限界に挑んでいくようなところがありましたけど、今回は限界にぶち当たってみんなで壁に激突してどうしようってなっているところから始まって、ちょっとずつちょっとずつ「これは無理だけど、これはできるかな」っていうものを探りあっていく。そういう調整に入る段階の関係性を書き始めたなと思います。

ちょっとずつ…探りあっていく

──調整し続けるって、思考し続ける「体力」がないとできないですよね。でもSNSに象徴されるように、現実の社会では速くて強い言葉が求められがちという。

 そうなんですよね。でも、簡単な結論を出すことは避けたいと思っていて。だってツイートの140字とか、TikTokの何秒、何分にすべてをまとめるなんていうことは絶対無理で、ぐだぐだと答えが出ないことを考え続けることこそが生命力だとも思うし、生きるための知恵みたいなものにつながっていくと思うんですよね。
 このあいだイ・ランさんの『話し足りなかった日』という最新エッセイ集を読んだのですが、彼女はものすごいぐだぐだ悩むんですよね。日常のこととか人間関係とか、お金がないことについてめちゃくちゃぐだぐだと書いていて。そこがもうとにかく「人間」過ぎてやばいなと(笑)。あんな濃度の高い人間のモノローグに触れたのはすごく久しぶりだなと思ったし、結局は彼女みたいに考え続けないと本当の意味で生きていくことさえもできないんだという、諦めにも似た覚悟みたいなものを持って小説を書いていきたいなと思いました。

そこがもう「人間」すぎてやばいなと(笑)。

だって!
濃度の濃いモノローグかあ~。思い当たるふしがある! 自分に言われているような気がした。勝手にだけど。うれしかったし、そういうふうに書けばいいって思った。

(ちなみに、『話し足りなかった日』も持ってる。本屋で金原さんの書評を見たから買った。)

https://www.bungei.shueisha.co.jp/interview/meetstheworld/

近所のミスドに、モーニングだけで長い時間居てしまって申し訳なかった。すごく何回もカフェオレのおかわりを注ぎに来てくれていつもありがたい。一応、新しいお客さんが座る邪魔になっていないか時々気にしたけど…とにかく必死だったから、長く作業させてもらえて本当にありがたい。売れてお礼したいよよよよ・゚・(●´`●)・゚・

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