笑われない夕食/ショーは気になるけど文化祭に行きたくない
10月23日水曜日
授業で生徒二人に、「昨日の夕飯何だった?」と聞かれて、あたふたしながらメニューを言った。
別に笑われなかった。味噌汁とごはんとセブイレブンの豚の角煮。
一瞬隠そうかと思ったが嘘を考えるのがめんどくさくなり、言うと決めてから、そうだ、この人たちは絶対笑わないなと思い付いて、わりと心穏やかになった。
一人はスーパーのレジでバイトしていて、お総菜を買う人に「お疲れ様です」と思う、という話をしてくれたことがある人だった。やさし!
もう一人の子には、「セブイレなら、大根おろしの和風ハンバーグがおいしいよ!」と言われた。
何で知ってんの???
帰って、今日の夕飯、急にしっかり作り出す。明日もそのクラス、授業あるから!
冷凍鶏肉豚肉解凍して、玉ねぎ、にんじん、さつまいも入り味噌汁、いもごはん。
やればできるっていうか、張り合いがないとやらない。
てかみんなだって、張り合いがあるからやってんでしょ。
張り合いのために結婚するのかもしれない。たとえそうだとしても、自分の人生に意思を向けて動かそうとしているわけだから大層立派なことだと思う。
金原ひとみが新作で「ルーティーン」から外れずに生活する人について書いているらしい。私じゃん。
(いつもセブンイレブンの角煮を食べてるわけじゃない。いつも、野菜と肉を入れた味噌汁とごはんを食べていること。それだけのこともよくあること。)
読みたい。
いつも同じな日常に「一つだけ別の要素を入れてみる」とか、「1歩踏み出してみる」って、まさに、生徒に「昨日夕飯何だった?」って聞かれることじゃん。今日も聞かれるかもって思ってちょっとだけ頑張ることじゃん。
味噌汁、いもごはんうまー
おかげで、ごはん冷凍ストック潤沢。
今年さつまいも豊作で安くてうまいらしい。
炊飯器新しいのほしい。
とか思ってみる。別にいらない。
けど、何か変えたいという気になったよ。
10月25日金曜日
ヨガの後、道でパンを立ち食いして、検診の予約を取り、美容院に行った。
美容院でしゃべりまくってしまう。
勤務先の学校の文化祭に行きたいわけじゃないけど、ショーが気になること。行かないくせに、文化祭でどういうことをやるのか、ショーで何するのか、生徒に聞くのは悪いと思っていること。だから文化祭について何も触れられないこと。もし万が一、「来ないの?」って言われたら何て言い訳しようかずっと考えていること。
美容師さんが(いつも)すごく笑ってくれるので、自分のおもしろさをつい確信してしまう。
笑われて、やっと文化祭に行かない自分は極悪人だという思考からはずれることができた。
「行かないけど気になってる。(ショーが)」で、いいんじゃない? だって! 別に、「来て!」って言われないし、「何で来なかったの?」なんて、言われないんじゃないですか?って美容師さんが言うので、だよねと思えた。
10月31日(木)
生徒に、「文化祭来ないの? 招待券あげるよ?」って言われた!!!
あたふたしてしまい、全然何て答えたらいいかわからなかった。
「出店もあるよ。うどんとか出るよ」
と言われて、「うどんより、ショーに興味ある」と言ったら、うどんの店をやるクラスごめん…って言って笑ってたけど、私のあたふたは続き、別の子に「先生も予定があるかもしれんやん。先生、大丈夫やで」ってかばわれた。
変な話だが、完全に無策だったくせに、私はあたふたしている間中ずっと、いいぞいいぞと思っていた。
なんかうまくごまかしたり、上手に嘘をつくことに成功するよりも、私は困っている方がいいなという気がした。困ってるってことは、「別に行きたくない」が含まれるわけで、そしてそれがみんなの前にさらけ出されているわけだからなんか失礼だけど、「ショーが気になるけど行きたくない」が真実なんだからこうなってしまう。
「ショーが気になるけど行きたくない」を言葉に出して言うのはキツすぎる。模擬店がいやとかカモにされるのがいやとか、食べ物を食べたくないとか、なんかもういや!!!とか、言葉にならないところではこんなことが理由だったりする。
言える理由がなく、行くって言えなくて悪いなとだけ思い続けながら立っていた。予想外に揺さぶられて、しんどくはあったけどいいことだと思った。
あたふたして着地点が見つからず、予定調和じゃないラジオの方が面白いってこの前砂鉄が言ってたことも教壇で思い出したりしていた'`,、('∀`) '`,、
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