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インターネットという場を得た頃のこと

僕にとって、はじめてのインターネットは「サイト作成」から始まる。

僕はネット環境を得たのは、パソコン通信の時代から少し進み、ジオシティを始めとした無料のHP作成サービスが登場し、個人サイトが作成されるようになった頃からになります。

ゲーム系の二次創作を中心に、僕はダイアルアップで必死にサイトに繋ぎ、小説を中心に扱っているサイトを中心に色んなところを回っていました。

そう、ダイアルアップ。
今となっては、ネットに接続している人間が「電話代が気になって、長時間繋げない」なんて言い出すのが珍発言でしかないと思いますが、当時は電話回線を使ってインターネットに接続していたため、接続時間=通話時間となっていた訳です。

で、ここで「いやぁ、通話料がかかり過ぎちゃってさ、親に怒られて」となりたくなかったものの、小説を読むには時間がかかる。
そこで僕は、一計を講じました。

まず、HTMLページの仕組みとして。
一旦、そのページを読み込むと、実はPCの中には該当のページが一時保存されています。
この保存されたページはローカルに存在するので、たとえ通信を切っても、ブラウザでの閲覧は可能なのです。

簡単に言うと、通信していない状態でサイトが見られるよ、と。

このため、まずそのサイトの小説ページに飛んだ後は、とりあえず色んなページを飛ぶ、飛ぶ、飛ぶ、を繰り返し、一旦ローカルにページを落とし込んだ状態で回線の接続を切る。
文章にすると面倒な手順に見えますが、現実、ちょっと面倒です。

ただ、そんな手順を踏みたい程、ダイアルアップ時代の通信時間は気になるものだったのです。

だから画像データを多用するサイトはあまり回らないようにしていました。表示に時間がかかるから。
この文化は、ADSL回線という、通信時間無制限の環境が出てくるまで続きました。

今となっては常時接続が当たり前、高速通信が当たり前で、すっかりサイト作成のノウハウとしてなくなってしまいましたが、当時は時間無制限の接続環境でさえ、画像データを表示させるには相当時間がかかる、重たいデータを使っているとサイトの利便性が悪い、とか、画像ファイルを使う時は一ページにのせすぎない、とか。
そういうサイト作成時のノウハウがあったものですが。

今は、サイトが重くても問題ない時代に……時代に?

どうなのでしょうか。

ネット接続環境はパソコンが主流だった時代から、モバイル端末の時代に変わりました。モバイルはどんどん高容量を扱えるようになり、今ではパソコン並みの処理速度と言われています。

でも、データ通信制限という、かつて常時接続を可能にする前の時代にあった、「重たいデータをやり取りすると動作が重たくなる」という事象が発生し、通信制限がかかっている間はまともにサイトを表示することも難しくなるページも少なくありません。

noteもヘッダに写真を使う程度であれば問題ないのですが、自分の体感的に他のnoteの記事引用とか、本文中の画像使用枚数が多かったりすると、かなり表示が重く、エラーを起こして表示できないこともあります。

フォローしている方の記事であれば「後でパソコンで見よう」となりますが、そうでない記事の場合は……

今の時代、データ制限かかった状態でネット繋ぐ人も多くないので、ユーザビリティだのといった観点で考える必要はないのですが。

僕みたいな半中毒者は、重たいページを読みこんじゃった後は「あー……」と宙を見上げ、歴史は繰り返すなぁ、と呟いたり。

ダイアルアップの時代から二十年近く経った今。
今更、サイトが重くて動かない、なんてことに遭遇するなんて、常時接続、光回線が普及し出した十年前には想像つかなかったなぁ。

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