部活日記。 第17話 上手くなりたい
☆前回までのあらすじ☆
吹奏楽部に入部した花蝶美香(かちょうみか)は幼なじみのトロンボーン担当、音崎琴音(おとざきことね)とトランペット担当、高橋美璃(たかはしみり)と部活に励んでいる。吹奏楽コンクールで銀賞を受賞した大生中学校。3年生は悔しさに満ち溢れていた。そして、今日から文化祭の練習に本格的に入っていく。今日は曲決めだぁぁぁ!!
ー曲決めフェルマータ(長い曲決め)ー
部長を中心にやる曲を決める。
梨花:「では、まず時間をとってからやりたい曲を1人ずつ聞きます」
私は頭の中がごちゃごちゃしていた。でも、私が一番に思い出したのは、
宝島。
いい曲だから。吹奏楽っぽいし。
そして、1人ずつやりたい曲を言う時。候補はこちら👇
Mrs.GREENAPPLE ダンスホール
優里 アルデバラン
YOASOBI アイドル
YOASOBI 勇者 etc…
ちなみに、理羅先輩がやりたい曲は、アイドル。
JPOPしかないのなんで?JPOPより絶対ジャズ系がいいでしょ。次は私の番!私は部長に向かって「宝島」といった。すると、みんなが私の方を向いて呆然としていた。気まず…。
曲決めが始まってから30分後。やっと曲が決定。その後は先生が早速楽譜をコピーしてくれた。曲はこちら👇
1,エンジェルオブバトルフィールド
2,ディズニーセレブレーション
3,il vent d'oro
4,アルデバラン
5,ダンスホール
アンコール
アイドル
結局、JPOPだらけになっちゃった。私が候補した宝島は選ばれず。
ーTHE☆譜読み大会!ー
顧問が大量の楽譜を持って音楽室に入ってきた。今日から普通に譜読みして、明日からは本格的な合奏練習!コンクール終わってからも吹奏楽部は忙しい。今日までに譜読み終わらせておかないと明日苦労するのは自分だから。
顧問:「次、ユーフォ・チューバ!」
そして、理羅先輩から楽譜が渡された。
美香:「ありがとうございます」
理羅:「言っとくけど、ユーフォとチューバの楽譜、全然違うから。」
え、なんで突然?そうなのか…?ユーフォとチューバの楽譜違うんだ…。
美香:「そうなんですか?」
理羅:「当たり前でしょ?チューバは低音域だし。」
何故か先輩にドヤ顔で言われた。自慢したかっただけ…?
その後は私は1人で譜読みを進めた。フラット、シャープがあったりなかったりで、頭おかしくなりそう💦
ー合奏オンパレードー
次の日。今日は土曜日の部活。ついに合わせる日が来てしまった。大丈夫かな…?
そして、チューニング、トレーニングをした後、文化祭の曲の合奏スタート。
まずはディズニーセレブレーションから。
最後まで何とか通せた。すると、
顧問:「ユーフォ、高いレ吹ける?」
美香:「え(苦手なヤツ)…」
私は高い音を出すのが苦手。早速レを出してみたが、上手く出すことは不可能だった。
すると、顧問が大きくため息をついた。
顧問:「じゃあそこ、吹かないで。」
美香:「えっ?」
顧問:「吹けないなら吹かなくていいです」
私は顧問から貰った言葉にショックを受けた。
合奏が始まって3時間後。合奏終了。3時間という長い時間が今日だけ何故か短く感じた。
譜面台を片付けていると、理羅先輩が声をかけてきた。
理羅:「ねぇ、やるなって言われたところ、
どこ?」
美香:「え、あっ、ここです。」
そう言って理羅先輩に楽譜を見せた。
理羅:「シャーペンある?書き込みしていい?」
美香:「何を書くんですか?」
理羅:「アンタが間違って吹かないように。」
美香:「????」
私は頭が混乱した。
ー吹かないためのバツ印ー
理羅:「できた。」
楽譜を見せてもらうと、楽譜の中心に大きなバツ印が。シャーペン、貸すんじゃなかった。なんでこんな大きなバツ印書くんだろ?理羅先輩はシャーペンを私の椅子の上に置くと行ってしまった。
ー「アンタが間違って吹かないように。」
気遣ってくれた……のか?
ー憂鬱な帰り道ー
ミーティング後。今日も1人で帰る。今日の空は暗くどんよりとしていたが、雨は降っていない。
上手くなりたい。
ー顧問:「吹けないなら吹かなくていいです」
上手くなりたい…!
なんで私ばかり怒られるの…。みんなもできてないのに。もしかしたら私が楽器経験者だったら。もしかしたらこんなことにならなかったかもしれないのに。
悔しい…。先輩にバツ印書かれて顧問には怒られて……自分の…
馬鹿。
こんなことを心の中で呟いていた。私はほんの些細なことで落ち込むことが増えたように感じた。二度とこんな思いになりたくない。私はもっと上手くなるんだ…!と思っていても、ほんとにできるのか心配になってくる。明日はパート練習。理羅先輩にいろいろと相談しようと思う。
第18話へ続くー
第18話 いろいろな思い