第18話 いろいろな思い
☆前回までのあらすじ☆
吹奏楽部に入部した花蝶美香(かちょうみか)は幼なじみのトロンボーン担当、音崎琴音(おとざきことね)とトランペット担当、高橋美璃(たかはしみり)と部活に励んでいる。吹奏楽コンクールで銀賞を受賞した大生中学校。3年生は悔しさに満ち溢れていた。そして、今日から文化祭の練習に本格的に入っていく。
今日は文化祭のパート練習!前回の話で「上手くなりたい!」と強く思うようになった美香。だが、思った音が上手く出ない!どうやって解決…?
ーメトロノームdeパート練習ー
理羅:「今日も頑張ろうね🔥」
ミーティング後、楽器倉庫室で理羅先輩が私に声をかけてくれた。私はユーフォを出す前に理羅先輩と立ち話。
美香:「今日は練習どこですか?」
理羅:「昨日と同じ(南少人数教室)!」
理羅:「先行っててねー!」
美香:「はいっ😊」
ユーフォと譜面台と楽譜持って、いざ、南少人数へ!南少人数教室は、Bassパートの練習教室。入部当初からほぼ南少人数教室。
到着!戸を開けると肌寒い風が吹き込んできた。夏だというのにまだ寒い。開けてあった窓を少し閉める。3階からの良い眺めからは校庭が見える。校庭では野球部が練習試合をしているところが見えた。…ていうか、理羅先輩、まだ?もう10分経ったんだけど。
私はまた戸を開けて辺りを見渡した。すると、戸の目の前にチューバが。目の前のチューバにビビる私。先輩は…どこ?
すると、譜面台だけを持った理羅先輩が廊下を歩いているのを見た。
理羅:「お待たせー‼️遅れたー💦」
美香:「大丈夫です‼️」
私は理羅先輩のために道を開けた。理羅先輩は「よいしょっ」と言ってチューバを持ち上げた。そして、2人でパート練が始まる。
ーBassパートで合奏ー
理羅:「隣座るね‼️」
美香:「あ、どうぞ…」
理羅:「あぁ、道開けてくれた!
ありがとう~😊」
理羅:「譜面台も少し移動させるね!」
理羅先輩は自分の隣にチューバを置いた。
理羅:「チューニングした?」
美香:「全然…」
理羅:「時間少しとるから、自分でチューニングしてみよう!」
ー10分後。
理羅:「できた?」
美香:「バッチリです!」
理羅:「楽譜見せて」
美香:「どうぞ!」
ー複雑フレーズー
理羅:「アルデバランとアイドル、確かユーフォトロンボーンソリだよね?」
美香:「そぉ…ですね。」
「ソリ」っていうのは、「soli」のこと。メロディを複数人で吹くことを言う。「ソロ」は「solo」のことで、メロディを1人だけで吹くことを言う。soliも立って吹くことがあるが、soloは立って吹くことがほとんどある。
今日は理羅先輩と、ソリの練習。簡単なのに上手く吹けない。
理羅:「もう16:50だし、そろそろ戻って片付けよっか‼️」
美香:「はいっ‼️」
理羅:「よく頑張ったね☺️」
理羅先輩はパート練が終わると必ず「頑張ったね☺️」「偉いね✨」などと褒めてくれる。だから私はすぐやる気になれる。理羅先輩から言われる褒め言葉は親から言われる褒め言葉と少し違うような感じがする。
音楽室に戻ってユーフォの唾抜きをしていると顧問がカーテンを開けた。すると、空には夕焼けが広がっていた。幻想的…。空が焼けたように赤く、ユーフォのベルの先が金色に光る。
桃子:「わぁ、綺麗だねぇ‼️」
アルトサックス担当、高城桃子(たかぎももこ)先輩が私の隣で言う。
美香:「綺麗ですね‼️」
そう言って頷いた。私は楽器倉庫室へ行きユーフォの片付けへ。楽器倉庫室からも赤く燃えたような空が見えた。窓の目の前で景色を眺めていると理羅先輩もチューバを持って私のそばへきた。
理羅:「今日の空はいい色してるね‼️」
美香:「はい😊」
すると、理羅先輩が窓を開け始めた。窓が開いた。すると、透き通ったような風が吹き抜け、髪が揺れた。明日も頑張れるような気がした。
今日も一日お疲れ様‼️
第19話へ続くー
第19話 振り付けフレーズ