部活日記。 第37話 光彩ブリッランテ
☆前回までのあらすじ☆
吹奏楽部に入部したユーフォニアム担当の花蝶美香(かちょうみか)は幼なじみのトロンボーン担当、音崎琴音(おとざきことね)とトランペット担当、高橋美璃(たかはしみり)と部活に励んでいる。同じパートでチューバ担当、斎藤理羅(さいとうりら)先輩と一緒にパート練習!吹奏楽コンクールで銀賞を受賞した大生中学校。3年生は悔しさに満ち溢れていた。現在は文化祭が終わり、次はアンサンブルコンテストに向けて曲を決める前。なかなか上手くならないユーフォ。そんな中、何回もユーフォを壊しかけている美香。前はユーフォのマウスピースが抜けなくなり、今度は
ピストンが動かなくなり。また今日からアンサンブルコンテストにむけての第1歩を踏み出そうとしています!そして、今日からアンサンブルコンテスト、略してアンコンの練習が
本格的にスタート‼️ユーフォをもっと上手くなりたい美香。だが、またユーフォのマウスピースを抜けなくしてしまったが、リペア(修理屋)にてすぐに抜ける。そして、日常も戻ってゆく。さらに、顧問の指導も厳しくなってゆく…。
ーブリッランテー
アンサンブルコンテスト、略してアンコンまで1週間を切った。今日も顧問による指導のもと、練習が始まっていく。今日も嫌な予感がしてきそう。
楽器を出して早歩きで今日の練習場所へ。練習場所は珍しく視聴覚室。木管組は南少人数、2年生組は北少人数。毎日毎日練習場所が交代で変わるので正直キツい…。音楽室から視聴覚室は遠いし、音もあんまり響かないから、デメリットが多い。
着いた。暖かい…。暖房つけてある。窓の外からは声も聞こえてくる。たぶんバレー部か、バド部(バドミントン部)かが、試合しているのだろう。大会も近いし。私は窓の外をずっと覗いていた。でも、声がしただけで、人の姿は見当たらなかった。
みんなが来ない…。多分遊んでる。私は水筒を取りに音楽室へ戻る。すると、チューバと譜面台を片方ずつの手に持っている理羅先輩とバスクラと譜面台を持った三澄先輩とすれ違う。あの2人、低音だから仲良いんだよね…。いいな…。そして、疑問が思いつく。
ー私と理羅先輩って、仲良いのかな?
水筒を取りに行く。すると、みんな黒板に落書きしては消して私が来たのにも関わらず遊んでる…。遊んでると言うより、遊び呆けてる…。心の中で呟いた。
「先生来ても知らんからねっ!」
そして、戻ってくると、みんなが集まっていあ。1人で練習。今日は苦戦していたメロディラインの練習。私の弱点は、音は分かってるのに、狙った音が出ないということ。だから、自分が大事と思っている基礎練は必ずやる。もちろん、チューニングも正確で綺麗な音が出るように管の抜き差しをしっかりすること。そして、理羅先輩に言われた通り、「写真撮る時みたいに口角あげること」を常に重視!そして、ブリッランテに。ブリッランテというのは、華やかに、輝かしくという意味がある。華やかで輝かしい音を人の胸の奥まで、自分の音を響かせたい。
そして、1番の目標、
ー後悔のない演奏にする。
後悔は絶対したくない。
上手くなりたい。ー
ーだって音楽は人の心を響かせるものだから
ー遠くに届くまでー
そして、顧問が来て合奏も始まる。
顧問:「今日は全て通します」
チューニングする暇もなくすぐに曲が始まる。(曲のリンクは下にあります⬇)
そして、通しが終わったあと。
顧問:「ホルンもっとなめらかにね!」
でも、今日の顧問、なんかいつもと違う気がした。
そして、ユーフォも色々言われてそのことを楽譜に書く。そして30分後、合奏が早くも終了。そして、木管組も30分くらいで終了したみたい。でも、2年生組が…。
ー17:00
琴音:「もう17時なのに先輩たちはまだ練習してるの!?」
美璃:「もう帰らないといけない時間なんだけど…。」
泉:「ちょっと見てくる!」
見に行かなくていいのに…。影から見てたって、合奏の邪魔になるだけでしょ。
17:00過ぎたのにまだ部活はありえないので、音楽室の隅に楽器ケースやら荷物やら移動させて片付けることに。でも、そのことを顧問は一切気にせず、合奏をしていた。
2年生の合奏が終わったのはなんと、17:15。
顧問の表情は余裕そうな表情。急いでもいない様子。
ー不満の連鎖ー
ミーティングにて。顧問は衝撃の言葉を口にする。
顧問:「明日はみなさんでアンコン前の発表会をしたいと思います」
部員全員:「…(は?)」
顧問:「金管組、木管組、2年生組の順でいきます」
いや、いきなりすぎるでしょ…。そんなの1週間前くらいから言っておいてよ…。だからさっきいつもと違っていたんだ。しかも延長無しだし、全てやるというのか。楽器の準備も譜面台の準備もしないといけないのに、16:00から17:00のなかの時間を有効に使わないといけないため、みんなの素早さが試される。
ー伝わらぬ思いー
今日は1人で暗い道を通って帰る。外はとても寒かった。明日は発表会なんていきなりすぎる。あの顧問、ギリギリになってから言うタイプだからいつもこんな感じ。先輩に見られる。そう思うとちょっと緊張が走る。また明日、頑張れる体力が戻りますように。そして、明日もいい日になりますように。
第38話へ続くー
第38話 心のエチュード