部活日記。 第43話 風のグリッサンド

☆前回までのあらすじ☆
吹奏楽部に入部したユーフォニアム担当の花蝶美香(かちょうみか)は幼なじみのトロンボーン担当、音崎琴音(おとざきことね)とトランペット担当、高橋美璃(たかはしみり)と部活に励んでいる。同じパートでチューバ担当、斎藤理羅(さいとうりら)先輩と一緒にパート練習!吹奏楽コンクールで銀賞を受賞した大生中学校。3年生は悔しさに満ち溢れていた。現在は文化祭が終わり、次はアンサンブルコンテストに向けて曲を決める前。なかなか上手くならないユーフォ。そんな中、何回もユーフォを壊しかけている美香。前はユーフォのマウスピースが抜けなくなり、今度は
ピストンが動かなくなり。また今日からアンサンブルコンテストにむけての第1歩を踏み出そうとしています!そして、今日からアンサンブルコンテスト、略してアンコンの練習が
本格的にスタート‼️ユーフォをもっと上手くなりたい美香。だが、またユーフォのマウスピースを抜けなくしてしまったが、リペア(修理屋)にてすぐに抜ける。そして、日常も戻ってゆく。さらに、顧問の指導も厳しくなってゆく…。アンコンが無事に終わり、次にやってくるのは百羽ミュージックフェスティバル!
やる曲はJBESTと、YOASOBIのアイドル。JBESTというのは、JPOPの人気曲をまとめたメドレーのこと。そして、顧問が離任するとの話が。一体何が!?


ー悲しい?ー
顧問が離任するという話を聞いた次の日の夕方。今日も部活。ほとんど毎日が部活となった11月。今日の音楽室内は盛り上がっていた。その理由は、顧問が離任するという話を新聞で全員が見たから。あの口うるさくて指導の仕方も下手くそとみんなから思われている顧問がいなくなると考えた部員全員は顧問が離任することを嬉しく思っていた。でも、何故か少し不思議な感情だった。顧問が離任する悲しさと嬉しさがごちゃ混ぜになって悲しいのか嬉しいのかよく分からなかった。
私も顧問のことが嫌いだった。その理由はみんなは「顔が無理」「厳しい」などの理由で嫌いだが、私が嫌いな理由は指導の仕方。顧問の機嫌が悪いと1人ずつ吹かせられたり1つ音を間違えるとめちゃくちゃ怒られたり。今年の1年生全員楽器初心者で出来るわけないフレーズやらされたこともある。とにかく最悪だった顧問であった…。



ー最後の活動に向かってー
ミーティングにて。今日の活動内容が知らされる中、顧問からの話。
顧問:「私が来年3月に新しい学校へ転勤することになりました。悲しいですが、ミュージックフェスティバルが先生にとって最後の舞台になります。絶対成功させましょう‼️」
部員全員:「はい」

やがて楽器を出しての練習が始まる。だんだんと上達してきたユーフォ。でも、先輩と比べたら無理。今日も基礎練をしっかりやったあと、JBESTの練習へ。soliがとにかくできない私は重視して練習を進める。口の形があってないと、変な音になったり、思うように音が出ないことがあるため、口の形と息の圧力、姿勢まで全て意識する。もちろん、ピッチもしっかり重視。すると、理羅先輩がチューバを持って来る。ガタンッと大きな音を立てて置くと譜面台に楽譜を乗せて吹き始める。やっぱりチューバがいい音色出してる…。優しくてあたたかい…。さすが理羅先輩。先輩を少し羨ましがってしまった。

すると、私が理羅先輩に見惚れていることに先輩に気づかれる。

理羅:「何?どうしたの?」
美香:「あっ!!見惚れてました!」
理羅:「なんで?」
美香:「音色綺麗だなぁって」
この時、先輩に引かれたような気がした。
理羅:「早く練習しな?」
美香:「はいっ、スミマセン(すみません)」



ー有害合奏?ー
時が進み、土曜日。今日はなんと視聴覚室という広いところで練習。視聴覚室はアンサンブルコンテストでも練習に使った場所。ハモデ(ハーモニーディレクター)や指揮者用の譜面台、打楽器などを次々に運んでいく。毎日のようにチューバを吹いている理羅先輩は力があるので重い楽器を運ぶ担当をしている。
私はサスペンドシンバルなど、軽い打楽器担当。1年生は主に軽い楽器を運ぶ担当となっている。
そして、問題は自分の楽器。ユーフォ運ぶのめんどくさい…。チューバの方がもっとめんどくさいけど。ユーフォを片手で持って、譜面台と飲み物ももう片方の手で持つ。譜面台は落としたことがあるのでそーっと持ち運ぶ。譜面台は落とすと楽譜までドサッと落ちるので最悪なことになる。(合奏中や移動中に譜面台倒しちゃうの吹奏楽あるあるですよね汗)

そして、合奏スタート。チューニングの時に必ず理羅先輩が駆けつけてチューニングをしてくれる。
理羅:「チューニング。」
いつも丁寧にチューニングしてくれる優しい先輩。いつも助かっています。
理羅:「高い音出す時は口の形しっかり整えてね」
美香:「はいっ🙋」

しかもアドバイスまでしてくれる。なんて優しくて尊い先輩…。
 でも…。
顧問:「ユーフォ!」
顧問に呼ばれてチューニングをやり直しさせられるという最悪な事態に。せっかく理羅先輩がチューニングしてくれたのに、全部やり直しされる…。
顧問:「それ高いよ」
すると理羅先輩が隣から口ずさむ。
理羅:「管抜いて」
「抜いて」と言われてるのに何故か管を押し込む私。そして、理羅先輩が私の元に駆けつける。
理羅:「あんた何してんの!?」
理羅先輩に言われ、ものすごい力で管を抜く。ほんとに私、何してるんだろ…。

そして、初めてのミュージックフェスティバルに向けての合奏スタート。通してみたものの、1年生がほぼ吹けてない…。ユーフォも重要パートなのに上手く吹けない…。ミュージックフェスティバルは振り付けありで出るということで、直前になって立つのは辛いかも…。まさかの理羅先輩も立つらしい。チューバ重いのに持って立ったらふらついて危ないと思うんだけど…。理羅先輩は心の中で立つことを拒否しています。チューバ持って立つのは無理に決まってる…。どんなクオリティになるのか楽しみ。



ー指導ー
顧問:「ユーフォ、そこ吹けるの?」
美香:「…わからn」
顧問:「吹けないんだったらそこ吹かなくていいよ」

どんどんバツ印が増えるユーフォの楽譜。私だけが上手くいかないせいで、ユーフォの楽譜はバツ印だらけ。これはまずい。先輩になるべく迷惑かけたくないのに、めちゃ迷惑かけてる…。これは、大ピンチの予感…!?


第44話へ続くー
第44話  cantabile!

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